同時期に高階秀爾さん、森洋子さんの書かれた入門書も買い読みやすくアッというまに読み終えましたが、この著者の日本語表現は他の方も書かれているとおり文章が読みにくかったです。スラスラ読める文章ではない!と覚悟して買うべし!
扱っている作品は、第1章で目次にも出ているミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の天井画と関連して同じ礼拝堂の「最後の審判」。
第2章はレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」「最後の晩餐」「岩窟の聖母」。
第3章はデューラーの「メレンコリアI」
第4章はジョルジョーネの「テンペスタ(嵐)」
第1章~第3章は著者の豊富な知識から、書かれている物の意味、同時代の画家との比較などで構成され、特にダ・ヴィンチの作品では多くのページが割かれている。
第4章は著者の意見と言うよりは、過去の研究者の多くの解釈を紹介し最後に自分の信じる解釈を披露している。
星3つにしたのは、デューターの版画の図版が同価格の他の本より解像度が劣ることと、この著者に他の作品にも共通して言える事ですが、高階秀爾さん等同世代の美術史家に比べ、入門書であるにもかかわらず、文章(日本語)が判りにくいからです。