アジアの都市と建築の歴史をまとめた唯一の概説書
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伊藤忠太をはじめ戦前まで盛んだった東洋建築史研究。だがその蓄積は戦前までで中断、すなわち東洋建築史の全体像はこれまで書かれたことがなかったのだ。
本書は、彼らの仕事を継承し、アジアの都市と建築の歴史をはじめて概説的にまとめた意欲作。
執筆にあたって編者をはじめ執筆者たちが心がけたのは、可能なかぎり実物を見ること。フィールドワークで得たナマの実感が本書の記述を支える。
世界遺産級の建築物から珠玉のような小さな建物、そしてその土地土地で育まれた結晶のような住居集落。人々が営々と築き上げてきた魅力的な町。本書には、アジアの都市と建築を見て回るための、たくさんの手がかりが散りばめられている。