マーキュリープライズを受賞したデビュー作から5年の年月を経た本作で、この英国の5人組は相変わらずのスタイルで堅実な仕事をこなしている。とは言え、ほぼいつも通りの路線ではあるものの、60年代風サイケデリック色がかすかに強まっている(なかでも「Silence」は怒れる世代のために作られたようなサウンド)。けれども昔からのファンも、ゴメスを同系統のバンドと一線を画したものにしているこれまで通りのブルース風のスリーパートのハーモニーを聴けばご機嫌になるはず。「Me, You and Everybody」はメロウだが憂鬱ではないリラックスしたコーラス曲だし、「Catch Me Up」は陽気なペースではずんでいる。
本作の最高の瞬間は、あのクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの栄光の瞬間と部分的にかさなる。たとえば「Where Ya Going?」で聴かせる泥くさいスライドギターのリフ。これはイギリスの5人組が可能なかぎりスワンプ・サウンドに接近した音だ。今後の作品でもっと伸ばしていってほしいと期待されるこうした要素からは、ゴメスはまだまだこの程度のバンドでは終わらないことを教えてくれる。(Robert Burrow, Amazon.co.uk)