そして、ルー・リード。SMや麻薬取引について歌ったり、お気に入りの詩人に触発されて歌詞を書いたことばかりが強調されているが、それ以前に彼はポップ・ソングライターなのだ。本作には、リードのもっとも美しいチューンがいくつか収められている。その大半を歌っているのは、ドイツから来た不吉な天使、ニコ。彼女はこのアルバムの後バンドを去ってしまった。本作は、無造作な印象のロック・チューンに至るまでポップ・センスに裏打ちされている。揺れるような2コードの中間部分を持つ名曲「Heroin」は、その好例だ。(Douglas Wolk, Amazon.co.uk)