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怨霊と鎮魂の日本芸能史

価格: ¥1,728
カテゴリ: 単行本
ブランド: 檜書店
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お勧めしません ★☆☆☆☆
見どころは・・・
そうですねえ、やっぱり表紙カバーでしょう!
2008年11月まで九州国立博物館にて開催された「特別展 国宝天神様 菅原道真の時代と天満宮の至宝」でも展示されていた「北野天神縁起絵巻(承久本)から巻5 雷神に向かう時平」であろう。(私も見ました)
それ以外には・・無いと言っていいでしょう。

氏の著書はこれまでに「逆説の日本史」シリーズはじめ数多く読んできたが、これは全くお勧めできない。わざわざ1,600円出して読むものではありません。
文庫になってマーケットプレイスで1円出品されるまで待つか図書館ででもどうぞ。
「被差別民の民族や芸能」には関心があってその種の書物に多く触れるようにしてきたので、単行本派ということもあり思わず注文してしまったのが運の尽き。

それにしても「怨霊と鎮魂の日本芸能史」とはご大層なタイトルですな。内容はそれにほど遠いです。芸能分野の史料や関係者の聞き取り取材など「研究本」を期待すると全くそういった史料資料は出てきませんので裏切られます。
これだけのテーマを扱い、大層なタイトルの割に何と「参考文献」は一冊もなし!!
「初出一覧」として7件記載があるが5件は能の「講演」と2件が「観世」誌の記事というだけだ。

いつもの井沢氏の書き方の悪い部分のみが前面に出た感じがします。
分かり易い文章というのと読み易い文章、それから平易な文章というのはそれぞれ全然違います。情報量が少なければ読み易いと本気で著者は考えているのでしょうか。

例えば「平家滅亡の要因」を挙げているが、ただでさえ少ない文字数の誌面上で同じ内容を5回も6回も記述している。怨霊信仰に関する記述もこれまでの著書の焼き直しで同じことを繰り返し述べているだけ。自説の披露だけに終わっているのは大変残念です。これまでにも井沢氏の著書は「新聞記事の必用以上の引用」や「繰り返し記述」が目についたが、本書は改行の多さ等も相まり200頁弱ですがこういった点を無くしたら実質4分の1で済むでしょう。
この程度の内容なら素人(歴史学者や研究者/氏のような著述業でない)個人のブログででも勝手に述べていれば良いことであって、この内容で¥1,600で人様に購入して頂くにはあまりにお粗末です。本を書くのに碌に取材もせずに正に軽い「コラム」を書くような感覚で本を出そうと何故考えるのでしょうか、著者も出版社も。
活字離れが進む昨今、日本の出版界はこの先大丈夫でしょうか?

私は同時購入した網野善彦氏の「『日本』とは何か」(1.150円)を同時に読んでいたのでかなり救われました。ですので日本史に関心ある人にはこちらの方を是非読んでいただきたいとお勧めしておきます。同じことでも圧倒的情報量と質と面白さです。
「日本」とは何か 日本の歴史00 (講談社学術文庫)