F1の真実と本質
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モータースポーツはスポーツではありません。
特に言えばここ10年のF1はメーカーのメンツを賭けた戦争でした。
そこに投入された開発費・・・と言うにはあまりに膨大な資金と人的リソースの象徴であったトヨタが、撤退を機に公開した一級の資料、写真を基に現代のF1がいかに"自動車であって自動車ではない"のかを、読み解いて行く恰好の資料、かつ読み物です。
ドライバーのテクニック、レース戦略、モナコに代表されるレレブリティーな雰囲気、そしてここ数年の政治闘争、確かにそれらもF1の魅力でしょう。
ただF1がスピードを競う競技である以上、そこに投入されるテクノロジーこそが正義であり、だからこそテクノロジーはかくも純粋で美しい物だと思うのです。
読み解いていく為に確かに敷居は高いですが、この本を通してF1の本質的な魅力に触れ、TMGの技術者の無念を少しでも感じ取れる事を願っています。