かつての古いサンバはなぜにこんなにも叙情的で心に染み入るのでしょう。そ
れはカントーラが自分のエスコーラを愛している気持ちが切々と伝わってくる
から。
私はポルトガル語を習っていて、古いサンバの歌詞がどんなことを歌っている
のかを知ることがあるのだけれど、歌詞を理解すると更に奥が深まります。黒人の歴史を、虐げられていた人たちもサンバカーニバルでは英雄になれ
る・・・。そんなサンバの世界をこよなく愛する気持ちが伝わってきます。
勿論意味が分からなくても、その素晴らしい節回しやエスプリの効いた(とい
うのはフランスですが)躍動感は、デジタルなブラジル音楽ばかりを聴いてい
た人にはある意味新鮮ではないでしょうか。
ちょいと難を言えば、いわゆるベスト版などのコンピレーションアルバムは
曲が偏っている(他のコンピにも“これがベスト”という感じで似たような
選曲になりがち)ことで☆4つ。まぁ、誰が聴いても“ベスト”ってことなん
でしょうね。(笑)“ベスト”だしこのお値段、思わず買わずにはいられませ
ん!!