非専門医の総合内科医に適した本
★★★★☆
非専門医にとって筋神経疾患の診断プロセスは、勉強法を誤ると全体像をイメージしにくく、挫折しやすい.また、何が必要な知識で何が不要か把握しにくい.神経内科は特に、全体像を把握した上で、ステップアップしていくのが合理的と思われる.最初から詳細な教科書から勉強しても全体像がつかめない.著者の”神経内科ケース・スタディ―病変部位決定の仕方”と同様、本書は、無駄な文章が全くない.非常にわかりやすく、必要な情報のみが書かれている.全体像がイメージしやすい.本書は、題名通り、神経症候の機序を解説したものであり、具体的な”神経所見の取り方”については述べていないので他書が必要になる.神経所見の具体的なとりかたを学ぶ前に、本書と”神経内科ケース・スタディ―病変部位決定の仕方”を読んで全体像をイメージ化することをお勧めします.数多くある神経所見の取り方の中で、まず何をマスターすべきかわかると思います.