読んで良かったです。
★★★★☆
自分や家族の余命を知らされたら、どのように対処すれば良いのでしょうか?
「余命」を受け入れるにはどのようにすれば良いのでしょうか?
この本を読んだからといって、全てを素直に受け入れる事は出来るはずもありませんが、しかし、このような医療行為をしてくださる先生が居られる事。
日本で、少数ではあっても探すことで出会うことが出来ると分かった事は、十分な収穫でした。 今、私達家族は、この本を手がかりに、「余命」を生きる家族と共に「一つでも多くの笑顔で」との願いの中、過ごしています。
緩和医療の実態が理解できます
★★★★★
緩和医療を実践している方が書かれている本です。
自分が余命あと半年と言われたらどのように半年を生きるか、生活するかを
考えさせられる一冊です。
著者が実践している緩和医療とは、心身の苦痛を取り除く医療でおかしい
医療では無いと力説しています。一番はモルヒネなどの麻薬を使うと命が縮
まるといつ誤解を解いています。
入院してダメな医者を見抜く方法が書いて有ります。医者は入院患者を担
当すると、自分が病院に出勤しているときは、例え一秒でも患者の顔を見な
いと患者が不安になると言うことです。
担当医が病院に出勤しているにもかかわらず一度も入院患者の顔を見に
来ない医者は、まさしくダメ医者だそうです。
自分が余命半年と言われる前に読んで置きたい一冊です。
幸福な最期を迎えるための準備とは
★★★★☆
数多くのがん患者を看取ってきた現役の緩和医療医が幸福な最期の迎え方を指南する。
冒頭、著者は提言する。
『老いること、病気になること、死ぬことを事前に考え、しかしそこで悲観的になるのではなく、だからこそ一足一足踏みしめて生きようと思った人間にそれ相応の最期が約束される』と。
そして良き最期を迎えるために『緩和医療を受けること』を勧める。
しかし、「緩和医療=終末期医療」「モルヒネ=麻薬中毒」といった偏見や誤解、緩和医療医の不足を筆者は嘆く。緩和医療はがんと診断されたときから実施されるものであり、モルヒネをがん患者に適正に使用するぶんには依存や耐性はまずおこらないのに。
そして、より実践的な心得を伝授する。
『相性の良い主治医を持つ』、『医局が同じ病院にセカンドオピニオンを求めてはいけない』、『PET-CTを含む人間ドックに入る』などなど。
さらに、本書随所でがん患者の最期を紹介する。
テレビドラマで描かれるような最期は幻想に過ぎない、ということがよくわかった。
自分の人生に悔いなしと言えるように
★★★★★
こういう状況に置かれたら、自分はどういうことになるであろうか、と覗き見をしたい本である。現実に癌告知で宣告を受けたら、平常心ではいられないだろう。それも人によりけりである。本書はその多くの事例を並べ立てているのではなく、冷厳な現実を冷静に受け止め、余生を充実して生きる普段の心得のようなものが書かれていて、大変参考になる。
病前(健康時)のバランス・中庸の心得、病初期・病中のさまざまな打つ手の心得、病末期の運命をしっかりと受け止める心得、そして静かに死を迎える心得が順を追って書かれている。
「あとがき」では「私の人生に悔いはありません」と誇らしげに言えることを期待している。
身につまされる一書である。