パーマカルチャーの提唱者、ビル・モリソンやデビット・ホルムグレンの原著をいきなり読むよりは、本書のインタビューを通じた彼らの人間性や根本にある考え方を汲み取るほうが初心者(?)には受け入れやすいようにも思う。
ここオーストラリアで暮らしていると、都会でもパーマカルチャーの思想が色濃く反映されていることが実感できる。「不耕起栽培」も極普通のこととして裏庭で行われているし、太陽熱利用や雨水利用も極一般的である。
現代の科学技術を完全否定することなく、より啓発された市民として持続可能社会を模索する著者の姿には結構感動してしまう。
ユーモア溢れる「オーストラリア楽農パラダイス」は、都会生活者の著者が居を山へ移し、庭を自然菜園に変え、理想郷を求めて試行錯誤するさまを綴ったエッセイ。ここでも、自分の意志で人生や環境をデザインする仕方を教えてくれる。デビット・ホルムグレンのインタビューも掲載したパーマカルチャーの入門書。