Classic Drum Solos and Drum Battles featuring a commentary track by Peter Erskine [DVD] [Import]
価格: ¥2,485
ジャズ・ドラミングの学習者とファンなら必見の本作『Classic Drum Solos and Drum Battles』は、力任せのロック・ドラマーのプレイでしかドラミングに触れたことのない人にも見てもらいたい内容だ。大部分のロック・ドラマーはパラディドルを力に頼っており、本物のソロを演奏できない。ここに収録されたソロの数々は、1957年~1978年に記録された別個のパフォーマンスから抜粋したもの。ルーファス・ジョーンズ(“スピーディー”という愛称の由来を本作で思い知らせてくれる)、ルイ・ベルソン(流れるようなテクニックと2台のバスドラがトレードマーク)、ジョー・モレロ(デイヴ・ブルーベックの最優秀カルテットで活躍した、素晴らしい音楽性を持つドラマー)、バディ・リッチ(ここに挙げた中ではスピード、パワー共に最高のドラマー)のプレイには、それだけのために本作を買ってもいいほどの価値がある。その上、アート・ブレイキー、ジーン・クルーパ、サム・ウッドヤード、コージー・コール、その他20世紀半ばのトップ・ジャズ・ドラマー7名もお目見えし、総勢15名の登場となる。
「ドラム・バトル」のパートも興味深いが――例外はバディ・リッチとジェリー・ルイス(そう、あのコメディ俳優のジェリー・ルイスだ)の馬鹿げたバトル――これを目当てに本作を買うほどの内容ではない。本作はジャズ・ドラミングの歴史そのものであり、60分間の本編の中にノー・カットのドラム・ソロがズラリと並ぶ。これらのドラマーの多くはすでに他界しているが、こうやって再びプレイを聴く機会はそうそう得られるものではなく、かけがえのない意義を持った作品と言えるだろう。(Charles Smyth, Amazon.com)