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誰も読まなかったコペルニクス -科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険 (ハヤカワ・ノンフィクション)

価格: ¥8,200
カテゴリ: 単行本
ブランド: 早川書房
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情熱と探究心(&お金と暇) ★★★★★
いわゆる「コペルニクス的転回」をもたらした、コペルニクス著『天球の回転について』の初版本(1543年)、2版本(1566年)に関して、所在が明らかな約600冊の調査(中心は、余白の書き込みの調査)の概要と調査や本についてのエピソードを記した本です。
書誌学とは、具体的な、1冊1冊の書物から情報を引き出す学問です。ですから、自ら手に取り、触り、そして、何が、どこに、どのように、いつ、誰によって書かれたか、ということを調べることが基本です。
ゆえに、著者はギンガリッチさんは、『天球の回転について』の初版本、2版本のすべてを、自ら調査すべく、世界中を30年かけて飛び回りました。時間とお金がある、研究者の中でも特に恵まれた人でなければできない仕事ですが、とにかく、著者の情熱と探究心には圧倒されます。西洋書誌学に関心のある方、古書好きな方にすすめます。

ちなみに、巻末の『天球の回転について』所在地一覧を見ると、日本にも、いわき明星大学、広島経済大学、金沢工業大学、京都産業大学、近畿大学、明星大学に初版本があります。
科学史を期待してしまっていた ★★★☆☆
タイトルから天動説が受け入れられる過程についての本かと思った。しかし、コペルニクスの『天球の回転について』の初版本と第二版の、現在残っている500冊あまりの網羅的な調査研究(著者のライフワーク)の回顧録であった。

個々の本の来歴やら、書き込みやら、それから分かる科学者の交流などそれなりに興味深いこともあるが、あまりにマニアックでついて行けなかった。こうなると骨董マニアですなあ。実際、収蔵している図書館の警備の甘さをついた盗難事件や、サザビーズのオークションが出てくる等、まさしく骨董の世界。科学史としての記述は少なく、かなり拍子抜け。

それでも、
・『回転について』があまり読まれたなかったと西洋で言われていた。
・著者の研究でそれは事実でないことがわかった。
・コペルニクスは太陽を地球の軌道の中心においていなかった。
・コペルニクスは宇宙の中心を太陽でなく地球軌道の中心に置いていた。
など、興味深い知識も得られた。特に最後の事実は、太陽系のなかで地球の特別な地位を認めていたと言う点で「コペルニクスは完全にコペルニクス的ではなかった」と表現しているのは面白かった。

タイトルに書誌学と書いてあるのに勝手に期待した方が間違っているのではあるが、科学の発展という意味での科学史への興味で読むにはいささか退屈な本ではありました。
科学史研究を基礎付けた書誌学的研究 ★★★★★
推理小説を読むようにスリリングな科学史研究。命題はアーサー・ケストラーが誰も読まなかったと断じたコペルニクスの『回転について』が後世の天文学者、数学者や物理学者にどのように受容されたかを世界に残された初版と二版の数々を分析することで、ケストラーの誤った見解を反証した労作である。コペルニクスの地動説は近代の認識論の代表でもあるカントの純理でコペルニクス的転回というメタファーにもなったくらいに近代科学と科学革命の原点でもある。その実際を証拠として諸版に残された書き込みと古文書学で分析してゆく。歴史的名著は稀覯本であり、盗難とその密売が絶えない。その現場にも専門家として立ち会いながら、鑑定士としても一役買いながら、科学革命の見えざる大学としての知的ネットワークを描き出す。知の伝播を考える上でも重要な一冊である。
馬鹿馬鹿しい試みに拍手 ★★★★★
これが書誌学です!
誰も読まなかったと云われるコペルニクスの「回転について」。
本当にそうだったのか?
著者が偶然にも手にした「回転について」には丹念な書き込みが
あったそうなのです。
偶然手に入れた本がこうならば、誰も読まなかったはずが無い!
ここから著者の、世界中に散らばった600冊の「回転について」を
確かめると云う書誌学的な試みが始まりました。

いいなぁ、林望先生みたいで、こういうの大好き!
回転についてにまつわるストーリー ★★★★☆
 コペルニクスが書いた回転についてという本は果たして全く売れなかった本なのか??

 本の空欄に書かれたそれぞれの読者の書き込みからいろいろな推理がなされる。そしてでた結論とは??

 内容はなかなか難しいけれど、各地の図書館を周ってその本がいつ誰によって読まれていたのかを検証していくのは500年近い歴史を超えて一つの本が語り継がれる様を描いていてなかなか。