若手実務者向け
★★★☆☆
基本的に本人の体験に基づく心構え本。
よって違う組織・違う文化で育った人にはまったく納得できないことも多いだろう。
個人の経験で言えば、まったくの「官僚化」「硬直化」してしまった組織の中で活動しているので、そのあたりを批判した中盤あたりは納得できることも多い。
勇敢なたたき台
★★★★☆
著者はオムロンに所属するベテラン知財部員であり、著者の経験に基づく特許戦略論が披瀝されています。「個人的経験」に頼る論理が多い、文章がなんとなく読みにくい、首肯しかねる箇所が多い・・・など、ケチのつけどころはいくつもありますが、ユニークであり、示唆的で刺激的です。
知財の本は、無難にまとめる面白くない本が多いですが、この本の場合、著者の実体験に基づく感覚がとても新鮮であり、批判を恐れずにこういった著書を世に問う勇気は賞賛に値すると思います。特許戦略論の「たたき台」になるべき貴重な本です。
快挙である
★★★★★
まさに快挙である。待望の書である。知財についての解説本や、ハウツー本や、学術書ならば、掃いて捨てるほどある。本書は、そのどれでもない。知財の実務家の、実務家による、実務家のための知財戦略論である。企業で知財を志す全てのひとに薦めたい。本書を読んだ人は、あとは、自分の会社で、自分の置かれた状況や課題に即して、この知財戦略を応用するだけである。そして、自らの知財戦略論を作っていけばよいのである。
特許戦略としては最高の一冊、良書です!
★★★★☆
特許戦略の本としては、必読の本だと思います。
理論面、ノウハウ、実務面、組織論、等がバランスよく書かれています。
特許戦略の基本5形態(防御、攻撃、威圧、宣伝、提携)が私としては非常に参考になりました。
この本の中で、基本発明を行う方法のところは、著者の主張は評論家的で一面的なように感じましたが、その他の記述は、例も多く分かりやすく、独創性に富む良書だと思います。
著者の意見と自分の意見を対比させながら読み進めると思わぬ発見があります。
「特許戦略とは?」と自分の頭で考えれば考えるほど、著者の主張から学べると思います。
さらには、オムロンの知財部ならではと感じさせるところもいくつかありました。 著者の経験を買うことができる本を良書と呼ぶなら、この本は間違いなく良書だと思います。
非常に実践的
★★★★★
私が今まで読んだ特許関係の本は、実際の特許業務とはかけ離れた問題を長々と書いて、本来の目的である"実践"については結局曖昧になっていると感じていました。しかしこの本は著者が企業で実行してきたことを生かし、特許業務の形態と戦略を順序良く説明しています。特に知的財産部門の組織構造のあるべき姿など、実際に経験していないと書けないような内容は、他の本にはない部分だと思います。漢字や例えが多少分かりにくいところもありますが、非常に実践向きの本だと思いました。