キープ・オン・ユア・ミーン・サイド
価格: ¥2,100
キルズのデビュー作はまさに21世紀のブルース・アルバム。ホワイト・ストライプスが成功する前だったらファンを獲得するのが難しかっただろう。キルズはラッキーにもその恩恵を被ることができるわけだ。アリソン・モシャート(別名VV)とホテルから成るこのデュオの音楽は、ブルースを基調としながらもガレージ・ロック色を取り入れた絶妙なブレンド。生ドラムではなくリズムマシンを使っているものの、彼らのサウンドの本質はもっと別なところにある。キルズの音楽はよりダーティーでセックスにおぼれたブルース・ロックなのだ。これはホテルとVVのダブルボーカルによる部分が大きい。官能的な「Hitched」がその代表。「結婚できないように俺の名前をおまえの唇に刻み込んでやるぜ」という一節は何とも刺激的。他の曲も色っぽく迫る曲ばかりで、ボス・ホッグやPJハーヴェイを連想させる。実際「Superstition」と「Wait」のVVのボーカルは若かりし頃のポリー・ジ-ンズにそっくり。しかし何と言っても曲がいい。ライバルは多いが、キルズならホワイト・ストライプスに勝負できると言っていいだろう。(Robert Burrow, Amazon.com)