間口は狭いかも知れないが
★★★★☆
著者はいずれもJBIC(旧輸銀、20年10月に他の政策金融機関と統合予定)で国際金融に従事する人々であり、実務に携わっていればこその見解・知識を本書からは得ることができる。
分野としてややマニアックながら、そもそも本書を手に取ろうと考える人というのは(おそらく)関連事業に従事するorこの分野について能動的に学ぼうという立場にある者であろうから、本書の平易な書きぶりと整理された章立ては、読書の上で十分に評価できる。近時の情勢を踏まえると、資源金融とイスラム金融のくだりが大変参考になった。
プロファイ素人から
★★★★★
エンジニアリング会社に勤めるプロジェクトエンジニアです。
事業投資採算について銀行の視点はどこにあるか、端的にポイントを押さえて説明してくれています。
現場での経験で得た知識が満載
★★★★★
実際に現場にいないと絶対にわからないだろう技法が懇切丁寧に解説されています。海外のプロジェクトが直面するリスクとその対応策が経験に基づいてわかりやすく書かれており、実務が学べるだけでなく知的興味も結構そそられます。プロジェクトファイナンスにとどまらず、PFIやPPPの現状とか話題のモノライン保険など関連分野の紹介も充実しています。初心者はもちろん専門家も何かしら学べるなかなか奥が深い本だと思います。
あんこが一杯詰まったお饅頭
★★★★★
上司に奨められて買いました。とにかく内容が豊富で驚きました。初歩的なことから結構高度なことまで含まれていますが、簡潔に要領よく説明されていて頭に入りやすいです。財務分析や契約書の作成の仕方など技術的なことから、弁護士との接し方や交渉で気をつけることなど、プロジェクト・ファイナンスの仕事をするときに必要な全てのことが学べます。これまで分厚い財務分析や英文契約書の専門書を買っても、プロジェクト・ファイナンスに関係しない余分な内容も多くて歯がゆかったのですが、この本はプロジェクト・ファイナンスで必要な財務や契約知識に絞って書いてあるので効率的に学習出来るのも魅力です。メザニン・ファイナンス、タームBローン、プロジェクト債、それに保険商品まで網羅されていて、一通り読めばかなり知ったかぶりが出来ちゃいます。よく計算された完成度の高い本だと思います。
ベストの解説書
★★★★★
待ちに待ったプロジェクトファイナンスの解説書。国際プロジェクトのリスクにはどんなものがあるか、それをどう克服して資金を調達するかが丁寧に解説されている。日本人が書いた本としては間違いなく過去ベストの内容。洋書の専門書にも十分太刀打ちできるし、日本人もここまで書けるようになったかと思うと同業者としても嬉しい。東インド会社の資金調達で始まる前半は、ウィットに富む文章で思わずにやりとさせられ共感出来る点も多い。後段の「関連する金融プロダクト」では、日本で解説書がない金融商品にも触れられており、貴重な情報が得られる。各章が1冊の専門書に匹敵する内容で、その意味ではこの価格でもお買い得だろう。プロジェクトファイナンスを糧とする人間として自信を持って薦められ一冊だ。