人を重要視する大切な経営書
★★★★★
起業を志す人に向けて書かれた本だが、誰が読んでも重要な点が満載である。実際に起業を目指した人のうち、実現してさらに10年間会社を存続させられるのは、100人に1人というデータがあるそうだ。それぐらい会社を経営するのは難しい。
著者は、会社の最大の使命を存続するとこととし、そのために「人と組織」の重要性を訴える。大きなポイントは3つ。「人と組織」が最重要であることを認識すること。「人と組織」を強化すること。従業員とのコミュニケーションを大事にし、事業ドメインの集中と選択をすること。
「人と組織」とマーケティングの2大要素があれば、前者にエネルギーの8割を注ぐべきと説いている。これはあらゆる階層のリーダーでも同じ。部下が育つためにまず自分が育ち、部下が業績を上げられるようにサポートするのがリーダーの役目。自分がいなくなっても部下が今まで以上の業績を上げられるよう、部下を鍛え、次のリーダーを育てることがリーダーの役目であると述べている。
人と組織を重視する平易な経営指南本
★★★★☆
「起業を志した100人のうち10年以上会社を続けられるのはたったの一人」
まえがきで述べられる著者の持論のとおり、本書ではこれから起業しようとする人や起業間もないアーリーステージの経営者に向けたメッセージが多いようですが、内容的にはいわゆるミドルマネジメントでも十分に共感できる内容になっています。
一貫して貫かれるコンセプトは「人と組織の重要性」。そして、業績アップのために「マーケティング」と「マネージメント」の2つの「M}を通じて顧客と従業員の満足を高めていくべし、というもの。特にマネージメントの重要性が7割を占めると述べ、人(部下)と組織をいかに活性化させていくかという視点で多くの考え方、手法を教えてくれます。
章末にポイントが整理されコンパクトにまとまって読みやすいです。著者の前作に倣ったタイトルが内容とフィットしていない点はもったいないと思いますが…。クオリティ、コストを考えるとお買い得な本だと思います。
長期的な視野で会社を俯瞰すれば、やるべきことは自ずと決まるという実践経営指南書です
★★★★★
本書は自ら起業した会社を上場させた著者が主に、経営者向けに書いたものである。本書の冒頭で著者は、起業した会社が10年存続したら、”奇跡”である」と書いている。その原因は、長期的な視野で会社を俯瞰できていないことだと言う。
会社経営においても、つい、目先の利益だけに気をとられがちで、売上・利益は追求しながらも、長期的に見て会社をどのように経営していくかという経営者が多いのではないかと著者は言う。
その中で、重要なテーマとして”人材”の問題を取り上げる。著者は、あらゆる集団は優秀な2割、普通レベルの6割、能力の劣る2割で構成されると言われている「2・6・2の法則」を取り上げ、強化すべきは上位2割の優秀な人材だと自らの体験から語る。そして、優秀な人材を採用するための工夫、社員の会社に対する満足度についても触れている。
どの会社でも重要なテーマであるコミュニケーションの問題は、社長が動かないと解決しないことが多いと著者は言う。そして、その行動は、経営の原点である「人と組織」の重要性に気づくことから生まれるのだと強調している。
一人でも多くの起業家や経営者に読んでいただきたい体験に基づく素晴らしい実践経営指南書です。
「人と組織」にこだわった経営本
★★★★★
経営本というと、独自の経営戦略や、数字(売上の伸ばし方、利益の出し方)に偏った内容になりがちだが、本書はそれ以前の「人と組織」の作り方から述べた、ある意味オーソドックスな本。
どんな戦略であれ、それを実行する人が育っていなければ無意味だという著者の姿勢には、深く共感する。
実績のある方の本は、重みが違いますね。
★★★★☆
この著書を読んでまず思ったことは、
「実績のある方の本は、
書いてある内容がしっかりしている」
ということです。
最近のビジネス書に多い、
「知っていることを書いている」
「机の上で考えたことを書いている」
という中ではなく、
自身の会社で実践されたことが、
「しかも具体的に」書かれているので、
とても濃い内容です。
また、「企業は人なり」という至極当たり前なことですが、
この言葉の重みを改めて感じました。
マネジメントに悩むリーダーや中小企業の経営者は、
必ず読んで欲しい著書だと思います。