定義が曖昧なまま進められるので全体像がわかりにくい。
★★★☆☆
88万ウォンは日本円にして約6万2千円である。本書は韓国における20代のワーキングプアの問題を扱ったものであるが、少し冗長な感が否めなかった。まず月6万2千円で生活するのが「大学生」なのか「一般労働者」なのかが明確でない、大学生ならば別に貧困というわけでもあるまい。あとヨーロッパ諸国の経済体制を賛辞するような記述が多々あり、韓国の失敗はアジア危機、ノムヒョン政権以降の新自由主義にあるといいたげな内容だった、基本的には社会民主的な主張が目立つ。ただ経済学の用語を使った解説は経済学専攻の私には分り易かった。
日本でも似たような問題があるので面白かった、ただ著者によると韓国の状況のほうが酷いらしい。