企業人からみた等身大の中国事情説明書
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最近の中国に関する書籍は、全体としては経済発展をベースに大国化していく中国への警戒感をあらわにしたもが多いと思われます。そのようななかで、本書は、中国の現地法人において企業経営を行った筆者が、現代の中国事情を、その労働事情を通してイデオロギー色なく、解説しています。
中国とのビジネスを行う人や実際に現地に赴く人には必読の書ですし、さらに一般的に中国を理解しようと考えている人にもとても参考になる本です。
本書を読んでも、中国との付き合いは、国としても人としても簡単ではないと感じます。ただ、いたずらに警戒したり、あるいはへりくだったりするのではなく、外国においては日本人同士という一種の居心地のよさを捨ててある種の緊張感をもって臨むという共通的な対応が重要であって、あまり中国との特殊事情に振り回されないことが重要だと感じました。