人事、労務担当者もこの本が勉強になります
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私は企業経営者です。適切な労働環境とは何かを考えるべき立場の者ですが、過労死・過労自殺については、増えているとは聞いているとはいえ、正直なところ「極端すぎる事例」としか思えませんでした。
ところが、先日、経営者の会で知り合った仲間の会社で、私よりも若い30代前半の社員が突然亡くなるということがありました。
亡くなった男性は、前日も遅くまで働いていたということですが、誰もがこんなことになるとは想像もできなかったと言います。
現在、私の知人は亡くなった社員の仕事の事後対策に追われていて、同時にご遺族への対応などでも大変なご苦労をしていると聞いています。
このような出来事が、あまりにも身近なところで突然起こったため、わが身にも起こるのではないかと初めて不安になりました。
そこで、ネットでさがしてこの本を見つけました。
この本を読んでみて、ご遺族になった人たちのことがよく分かりました。過労死や過労自殺はもうとても他人ごととは思えず、レビューを投稿することにしました。
私は会社の経営者として、結局、過労死者がでると、亡くなった方やご遺族の方はもちろんですが、会社側の人間であるわれわれも同時に「被害者」になり、「不幸」になると感じました。
特に、中小零細企業の場合は、「致命的」となり、起業からの苦労が全て台無しになってしまいます。そのうえ会社を共に支えてきた社員の家族ともめるなんて「理不尽」な感じもします。
ですので、この本に書いてある予防策などを、社内でも周知し、未然に防ぐしか解決策がないような気がしました。
過労死者を出した場合、遺族となった社員のご家族は、この『過労死の労災申請』を読んで対策を立ててくることでしょう。
そんなことになる前に、ぜひともこの本を読んでみる必要があると思いました。
是非とも、転ばぬ先の杖に
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誰だって、死ぬために働いているわけではないのに、過労死は後を絶ちません。誰も、過労死するその日まで、自分は関係ないと思って働いています。生死を分けるのは、結局の所、本人や家族が、その人の置かれた危険な状況に気が付くかどうかだと思いますが、この本を読んでみると、「自分がこのまま死んだ場合」に、自分の死が過労死と認定されるかどうかが、よくわかります。逆に言えば、過労死しかねない環境にいるかどうかがチェックできるということで、この本の真の目的も、むしろそうした過労死の予防にあると思っていいでしょう。過労死してからも役に立つ本ですが、過労死する前に読んでおくと、もっと役に立つと思います。本人にはそんな余裕はないかもしれませんから、その時は、まず家族が読んでみて下さい。