説得ではなく、納得して人は初めて動く
★★★★☆
コロンブス・豊臣秀吉・大黒屋光太夫・クーベルタン男爵の4人を事例に取り上げ、彼らがその時代
において、歴史を動かしてきたプレゼンの内容を推測し、その極意を学ぼうというもの。
実際のところは分かりませんが、著者の推測荷は妙な説得力があって、実際にこのようなプレゼンを
して、相手を説得してきたのかもしれないと思うと、わくわくしました。
読み物としても面白く、あっという間に読めます。
相手と一緒の夢を見る
★★★★★
仕事でプレゼンの役に立たせようと興味津々で手に取った。
仕事以外でも使えるのを発見。たとえば....家族に 恋人に 友達に
自分の意見をどう通し、実現させるかのヒントがたくさん詰まっています。
もちろん歴史読み物としても十分に面白いし、知らなかったエピソードが満載です。
私が感動したのは『相手と一緒の夢を見る』というヒントです。
そこにはテクニックではない誠実さ、愛があるのです。
仕事に人生に『機能するプレゼンの極意』が
文章の終わりに【教訓】として短く羅列してあるのが、スマートだなと思いました。
お値段も可愛い 楽しい本ですよ。次回は女性判を読みたいです。
プレゼンって・・・
★★★★★
最近のものだと思っていました。
そんなに昔からあったのですね。
豊洲会議も歴史の一部分で、ただの「会議」としか認識していませんでしたが、この本を読んで、セピア色の写真がフルカラーになったような気がしました。
歴史がとても身近に感じられます。
プレゼンは人のこころをつかむ技。
筆者のわかりやすい解説で、あっという間に読めます。
箇条書きにされたポイントが、clear, cool and clever って感じです。
プレゼンをしない人間は、いない。あなたも、読むべし。
★★★★★
歴史上の偉人がなしとげた偉業を「プレゼン」という切り口で捉えなおす。それだけで、もう、この本は偉業だと思う。人が、
人を納得させること(もしくは、誘惑すること)。この営みは、人が人として生きる上で誰しもが日常的にしていることだ。家の二歳の息子も、夜中にお菓子にありつくために、ありとあらゆるプレゼンを試行している。「お菓子、お菓子、お菓子」というリフレインを歌い上げる、音楽プレゼン。甘い声で「大好き」とささやく、誘惑プレゼン。「オモチャお片づけするから」と良い子を装う、取引プレゼン。かくも、人はプレゼンをして生きている。そう気づかせてくれるだけでも、この本には値段以上の価値がある。
さらに、次の一節には、心臓が止まるかと思うぐらい、心をつかまれた。
「少しはましなプレゼンができるようになってからも、喋りながら心地よさを感じたときには、信号が黄色に変わったのを意識して、ブレーキを踏むことを心がけた。」
経験がある。そんな時、プレゼンは負ける。クーベルタン男爵は、昨日の私だ。
実は、私もプレゼンを生業としている人間だ。大黒屋光太夫のプレゼン文書が添削によって「勝てる」プレゼンに仕上がっていくところなど、スリリングでありながら極めて実用的だ。使える。随所に挟まれる広告業界のエピソードも、楽しい。そして著者の林氏の語り口。ページが進むにつれて登場人物(偉人達!)に対してどんどん馴れ馴れしくなっていくあたり「喋りながら心地よくなっている」んじゃないかしらん。プレゼンするときは、お互い、気を引き締めて!
究極のプレゼンに胸踊る!
★★★★★
約2年前、初めて著者と会い、
スピーチの構成のうまさ、説得力、面白さに驚いた。
実はCMプランナー。
プレゼンの達人であった。
実績と実力を持ちながら、スピーチクラブでは手を抜かず、
いつも本気でスピーチをする彼にいつも感嘆し刺激を受けてきた。
これは、そんな彼にしか出せない素晴らしい野望の書だと言えるだろう。
コロンブスが、秀吉が、
歴史を動かしたあの有名人たちが
どんなプレゼンをしてビックチャンスを手にしたのか?
その解説があたかも同時代に生きていたかのような視点で、
人間くさく、活き活きと描かれている。
現代の広告業界における伝説を引き合いに出すのも小気味よく、一気に読ませてしまう。
読後、私の心はコロンブスに占領されていた。
夢はどこまでも広がり、野望は果てしなく大きく成長していく。
さあ、このプレゼン、誰に聞かせるか。