日本振興銀行も同じパターンをたどったか
★★★★★
独特な翻訳に賛否があるのを知った上で読んでみたところ、それほど酷い訳だとは感じませんでした。
指示代名詞が何を指しているのかよく分からなくて読み直したところが何箇所かあったくらいです。
主語、述語、修飾語が分かれば語尾なんてどーでもいーのよ。
私は経済学ど素人ですが本書の内容は8割くらい理解したと思います。
10年以上前に大学の教養課程で経済学を習っただけで、経済の本を読むのは高校時代の課題図書以来(大学のときは教科書を読まなかった)だったことを考えれば、十分ではないでしょうか。
折りしも本書のファイナンスの章を読んでいた最中に日本振興銀行破綻のニュースを聞きました。
ペイオフ発動という結末は違えども、破綻にいたるパターンはこの章に書かれていたのと似ているようでした。
原著は10年以上前のものですが、このことを考えれば今でも読む価値があると言えるようです。
山形さん勘弁してください
★☆☆☆☆
不細工に訳して読むに耐えない、原文もくだけてるにしてもやりすぎ。“…なのね”とか普段使わないわね。訳で星ひとつね。
黙読するな。朗読しろ。
★★★★☆
この本、内容はすばらしいのですが、普通の本読みには辛い。文体が口語調でしかもかなりくだけている…というかほとんど粉砕されているから。原著も確かにくだけた表現が多いが、「さいころステーキ」を「離乳食」にまで砕かなくても…
なので、普段、本を読みなれていない人とか、本を黙って読めない人、ほかの人に朗読して聞かせたい人などには、実はこの本はピッタリです。漢字の難易度を無視するなら…中学生ぐらいが丁度いい。
内容は「1994年当時の最新ケイジアン経済学入門」みたいな感じです。ただし、直接経済学を教える、というよりは
「今あなたが目にしている経済状況っていうのは、こういう風に解釈できるんだ。
ニュースではこういうことに目くじら立てているけど、そこは実は関係ないんだよ。」
という感じで、現実とのマッピングがどうなっているのか、経済学ってちゃんと役に立つんだよ、という実例のような本になっています。
ちょっと怖いのは、2011年以降のベビーブーマーが引退するタイミングが近づいている点。実はこの本、2010年以降何が起こるかまじでわかんね、と言っているので…その直前に大不況に陥って大丈夫かいな…あるいは逆にこのタイミングで大不況ってもしかしてラッキー?? ねぇ??? どっち???? と、Part 2 が欲しくなります。実は最近出たクルーグマンの本に、この 2011年問題を今回の不況と絡めた話って一本もないんですよねぇ…。
文体? 細けえことはいいんだよ。問題は中身だ
★★★★★
門外漢のための絶好の経済入門書。文体がイヤって文句のある人は、原書を英語で読めばいいんです。
経済学の本って、まったく経済学をかじってない人に本当に薦めにくい。用語が、読めない、難しい、わかんない、英語なんて読めない、、、(岩田規久男さんのでも難しいんだそうです)
そういう人に薦めるなら、この本。中身は間違っちゃいないんだから。
そもそも日本で問題なのは、有識者という皆さんと、マスコミの皆さんとがマクロ経済オンチなために、マスコミの電波を浴びてる一般の人々までマクロ経済オンチなこと。その日本の経済ジャーナリズムの程度の低さを打破するためには、高橋洋一さんの新書の試みや、この本のような試みは、経済学通の人が思っている以上に重要だと思う。上位/下位概念もこの本で見通しが立つわけだし。
この文体、教授っておネエキャラだったワケ?信じられなぁ〜い!
★★★☆☆
他のレビューと同様、和訳の文体に問題アリだと思います。平坦で専門家以外にも分かる表現で、という心がけはありがたいのですが、日本語の「大和言葉」と英語のそれにあたるアングロ・サクソン語系の表現にはズレがあるため、英語ではスッキリ言えることが日本語では四字熟語みたいな表現が一番わかりやすかったりすることも翻訳上はあるわけで、もうちょっと現実的なアプローチでもよかったように思います。いや、百歩ゆずっても、訳は訳として、日本語的な語順になってません!
クルーグマン教授が90年代(=10年前以上)に書かれたものをまとめてあるものですので、日本の「失われた10年間」真っ最中に教授が日本をどう見ていたのかがわかる歴史的な価値はあると思うのですが、教授独特の文体に、この翻訳文体がのっかってしまっている状態で、教授の真の視点を見定めるのは、かなり困難であり、大学のレポートにとりあえず必要な方はともかく、他の方は原書(英語)で読まれることをお勧めします。他の経済学者ではなく、あえてクルーグマンで、という方は。