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買春する男たち

価格: ¥1,944
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: 新評論
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杜撰な本 ★★☆☆☆
フェミニズムの立場から買売春を否定する書物である。しかし、この書物の最大の欠点は、「手抜き本」であるということにある。風俗業に現在従事している関係者や当の女性には一切取材を行っておらず、特定の新聞記事や買春経験者への断片的インタビューから、極めて一般的な結論を引き出そうとしており、ちょっと杜撰である。また極めて安易に政治権力に性風俗業界への介入を期待したりするような文面があり問題である。それに、結局なんの結論も引き出せてはおらず、いろいろ考えたが「ちょっと混乱しています」という著者の困惑を表明しただけの代物で、到底外に出せるレベルに到達していない。まあ、強制的な児童買春だけはダメだという著者の立場には私も賛成するが、結局、性風俗産業は女性を商品化し物質視する男の論理であるという従来からのフェミニズム的解釈から一歩も踏み出していない。
なぜ買春はいけないと思っているのか? ★★☆☆☆
「『買春はダメ!』と言っているだけでは、買売春を社会構造の中に深く取り込んでいる現実を変えることはできない、と思うようになった」のは結構なのですが、そもそもなぜ買春はダメだと思っているのかがぜんぜん書かれておらず、どういう問題意識にもとづく本なのか、いったいどういう社会を目指しているのかが不明確です。

問題意識が曖昧だから、取材や考察も一貫して問題の表面をなぞっているだけ。そもそも、ビックリマークを多用すること自体が文章そのものの力のなさを表しています。やるならもう少しちゃんとやってほしい。同じ著者の『多発する少女買春』を読むと、ますますそう感じます。