今後の投資や人生の参考に一読を
★★★★☆
リーマンショックの頃に出された副島氏の独自情報。
金1グラムが1万円になる、これからは豪ドルとカナダドルが強い、米ドルは切り下げ新札切り替えへ、近い将来に中東で核兵器が破裂し原油がバレル250ドル突破、香港・シンガポールに資金を逃がそう、欧州のヘッジファンドを買おう、など極端にも思える意見・予想が並ぶ。信じるかどうかは個人の自由だが、一つの予測として参考にするのが良いだろう。
霊能者といってもよいかもしれない。
★★★★☆
「ドル亡き後の世界」を読んで、改めて副島氏の書きっぷりに感心したので、以前に買ってあった(けど読んでいなかった)この本を拾い出して読んでみた。
1年前に書かれた本であるが、その後の1年の間に起こったことのトレンドはほぼここで予見されている内容と一致している。
やっぱり副島氏の予見は当たるのだろうか。「ドル亡き後の世界」では、ご自身を霊能者になったと書かれており、ご自身の透視能力を信じ始めているようである。確かに、これだけはっきりと世界が見えれば、霊能者といってもよいかもしれない。あるいは、よいブレーンがいるということなのだろうか。。
表現は過激だが、あながち外れていない
★★★★☆
本のカバーに書かれた副題がなんと「アメリカと心中する日本経済」。
これは第1章の目次と同じで、「アメリカは1円も返さない」と言い切っている。
第2章「金融工学の罠」では博打同然のデリバティブ=金融派生商品 の虚構を暴いている。いや、ラスベガスの博打よりたちが悪い。なぜなら、自分の所持金の、10倍以上の博打を打っているからである。「すっからかん」で追い出されるだけではすまない。「てこの原理」で、損害も10倍以上(返却不能)となる。
第3章「格付けと会計基準の虚妄」では、アメリカの会計ルールの設定と改変がいかに身勝手なものかを示している。ここは精読を勧める。
ここまでは、表現こそ過激だが、多少の憶測はあるものの、過去の事例は事実そのものである。
第4章「恐慌への道のり」、第5章「恐るべき統制経済」は、この1年の動きとこれから起こる「恐ろしいこと」の予言。「副島節」が炸裂する。
第6章「恐慌に立ち向かう日本」は、我々がとる道。ただし、自称「サイキック=霊能者」の著者の勧めに従うかどうかは、読者の「自己責任」。私なら少なくとも巻末の「ゼネコン株」を大量に買うようなことはしない。
非常に楽しく読める金融危機入門書
★★★★☆
数々の陰謀論を信じている副島氏の本には確かに間違いは多いですが、金融という退屈なトピックをここまで面白く書けるライターはいません。副島氏の強みは、その超一流のライターとしての資質にあります。本書にでてくる金融知識は基礎レベルで経済誌を読んでる人からすると、独自の視点などはありませんが、とにかく極めて楽しく読めます。
副島隆彦の毒舌が冴える
★★★★☆
次々と「予言」を的中させてきた副島隆彦氏が、満を持して書き下ろした、これまた予言の書である。副島流の毒舌を交えながら、関係者を糾弾している。もう本書を読んでも、何も驚かなくなってしまった、ここ最近の状況の激変が恐ろしい。
なぜか日本ではほとんど報道されない、銀行の取り付け騒ぎ。対岸の火事ではなく、日本でも起きると、副島氏は述べる。日本は、米住宅公社債を23兆円も買っている。上は農林中金から、下は年金運用団体や、共済組合までだ。これらの債券は紙切れとなり、1ドルもアメリカは返す気もない。オバマは2010年ごろに、米ドルの切り下げを行うであろうと書かれている。
いずれ、ドル安、ユーロ高の局面となり、オーストラリアドルとカナダドルも強くなるだろうとの氏の言葉である。日本の株価はニューヨーク株が大きく崩れるのに対して、あまり崩れないだろうと述べている。それでも輸出大企業の株価は米投資ファンドがお金を引き上げるので下落するという。注目株は100円割れのゼネコンであるらしい。とは言っても、副島氏のお勧めは、金地金などの実物資産である。
アメリカは時価会計による会計基準を日本に押し付けておきながら、今回の危機にあたって、自ら時価会計を放棄してしまった。副島氏は怒っている。
アメリカは米住宅金融支援法によって、国債やドルをじゃぶじゃぶ提供する道を選んだ。遠からず、国債と米ドルの暴落が起こるだろうとのことである。
平蔵は、こんな状況にも関わらず、日本郵政株式会社に対して、米国債や米公債を買うように圧力をかけているという。
「あとがき」では副島氏が、自分は霊能者(サイキック)になると述べている。ちょっと驚くような発言だが、それだけ予言を的中させてきたという、氏の自信の表れなのだろう。いずれにせよ、最悪の事態に備えて、氏の語る言葉に耳を傾けるのは、悪くはないと思われる。