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アングロサクソンは人間を不幸にする

価格: ¥1
カテゴリ: 単行本
ブランド: PHP研究所
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日本の共存共栄システムに立ち戻る ★★★★★
本書でもトッテン氏は独特の社会主義的な経済観を展開する。そもそも労働力や材料を軽んじて、金と土地だけを特別扱いするのはおかしいと述べる。結果、労働者は報われず、資本家のみに利潤のほとんどが還元されることになる。

この有り余った余剰資本を吸収するために帝国主義が生まれた。資本家の中でも金融業者は最大の権力を手中に収めることとなった。そして金融業者が大きな利潤を得るのは、常に、戦争や革命などの公的信用の混乱が生じた時であり、彼らはこれを望むだけでなく、積極的にこれを作り出そうとしている。

このような不平等を無くす為には、累進課税による所得再配分と、高い関税障壁による少ない貿易が必要であり、これが人間に幸福をもたらすとトッテン氏は述べる。輸出向け製造業者は国民の血をすする寄生虫であるという。

アメリカは、建国以来、長い間、自らを民主主義国家と呼んだことはなかった。実態は金権主義者と貴族政治主義者の国家であった。ルーズベルトがヒトラーに対抗し、国民の意識を統一するために、「アメリカは民主主義国家だ」と詭弁を使ったのが、その始まりであった。キリスト教徒は偽善者、アメリカは世界一の偽善国家だとトッテン氏は糾弾する。

日本人は認識していないが、アメリカのほとんどの国民は1970年代をピークとして年々貧しくなっている。アメリカ人の平均資産を計算すると2000万円という数字が出てくるが、最頻値をとり「典型的な」アメリカ人の資産を求めると、140万円しかない。というのも上位1パーセントの人間が平均で10億近い資産を持ち、彼らだけで、最下位から95%のアメリカ人の総資産を合わせたものよりも多くの資産を抱え込んでいるからだ。

このような少数の略奪者しか生まないアングロサクソン流のやり方に染まるのは止めて、古くから日本に存在していた共存共栄のシステムに、日本は立ち戻るべきだとトッテン氏は主張するのである。
新聞・TVの電波にのらない貴重な少数意見 ★★★★★
今現在の日本では、少数な意見の一つと思います。
ですが、政府・新聞・TVなどでは重く扱わない、見て見ぬふりをしている負の部分を扱っています。グローバル化など現在のアメリカ追従に疑問を抱く人に、またそうでない人にも(反対意見の一つとして)読んでみる価値があると思います。

政府の政策批判についても、政治的思想に偏るでもなく宗教的にも隔たりのない視線で世界における日本(とアメリカ)を見た結果の著者の意見だと思いました。
この本に書かれている事が全て、本当に世の中の実態かどうかは分かりませんが、少なくとも書かれている一面を否定する気にはなれません。

中産階級の居ない、社会の二極化が進みつつあることを身近に感じるだけに、重要な問題提起と思われます。