「豊かなる衰退」と日本の戦略―新しい経済をどうつくるか
また具体策についても、「場合分け」の名の下に、都市の、しかも持てる層に施策を集中すべきというものであり、待たざる層がどうなるのかという視点は欠落している。
団塊の世代の特徴の分析などにしても一方的すぎる嫌いがあり、そこから導かれる推論にも共感できなかった。
繰り返しになるが、本書は「豊かなる衰退」について新たな提起をしているのではなく、「貧困なる成長」の継続を切り口を変えて主張しているものに過ぎない。
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たとえば、そのうちの「一人二役」では、都心と田舎に２つの住居を持つことを提言しているが、本当に実現可能だと考えての提言だろうか？
コンサルタントならではの、机上の言葉遊びといえよう。
それにしても、元マッキンゼーの東京支社長がこの程度とはがっかりだ。