中身のつまった「アメリカ&ニューヨーク入門書」
★★★★☆
一言でいうと、非常に濃い、中身のつまった本。
アメリカ、及びニューヨークのエスニック文化、政治問題や歴史、世相について、日本語の報道だけでは得られない長期居住者ならではの緊迫感のある情報が満載されている。トピックもNY歴代市長から大富豪のトランプ氏、JFKジュニアからクリントン、ユダヤ、コリアン、ブラック、サムライ、猫、大統領選挙、テロ…とバラエティに富み、これからニューヨークに住む人、アメリカという国を学びたい人には最適な入門書ではないだろうか。
個人的には、徳川使節のニューヨーク滞在を語った「ニューヨークのサムライ」が一番面白かった。トミーという人気サムライの当時の米紙でのはじけた描写など、同行者たちの生真面目な姿と比較して見ると興味深い。 その他、在米アジア人のショービジネス界の実態を描いた「アメリカのアジア人」、ニューヨークタイムズ記者の記事捏造を語った「白い人黒い人」なども、目からウロコ的な発見があった。