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本能寺の変 四二七年目の真実

価格: ¥1,646
カテゴリ: 単行本
ブランド: プレジデント社
Amazon.co.jpで確認
戦国時代に英雄などいなかった ★★★★★
何しろ物的証拠に乏しい事件なので未来永劫『証明される』ことは無いのだと思いますが、この本の仮説は多くの方が良くも悪くも『なるほどな・・・』と大筋で納得できるものだと思います。個人的に戦国武将が置かれた状況、心理から行動を予測するプロファイリング的な手法による推理、仮説を物的証拠に当てはめて行く手法が興味深かったです。生々しい戦国時代の実像までが炙り出され、そのロマンの無さにガッカリしてしまいました。織田信長を始めとする戦国武将という生き物の了見の狭さ、コソコソとした生き様に辟易させられます。まあ、事実そうだったのでしょうね。この本の意図とは違うのかも知れませんが、戦国の世のつまらなさを痛感させられ夢から醒めます。
「始め、なるほど!」「その後、???」 ★★★☆☆
まず始めに提起された光秀の前半生は、本書の内容が限りなく事実に近いのだろう。そう思うほど説得力を感じました。
私は趣味で史料を見ますが、そこに出てくる光秀を通説どおりに解釈しようとすると不自然さが残りましたが、本書を読みすっきりしました。

しかしそれから後は主観も多く混じった印象になり残念です。
著者には光秀弁護のストーリーがまずあって、そこに使える史料を抜き取ってはめ込んだ。という印象を受けました。
なぜなら著者のストーリーに矛盾が生じる史料には触れていなかったからです。せめて触れなかった理由を記して欲しかったです。  
また曲解が気になった部分もありました。

ただ全体的な文の構成は秀逸で、非常にスムーズに読み進めることができました。

ちなみに当時の史料では信長は以外と褒められていて、高僧や天皇家、西洋人など様々な人が、その死後に褒めていました。 
多くの賞賛を得た人を討った光秀の弁護は大変だと思います。
しかし歴史の話は、研究者の「言い方次第」なので、著者の健闘を祈りたいと思いました。

あと著者は坂本龍馬が光秀の子孫であることにも触れていました。
この話の真偽は分かりませんが、仮に光秀と龍馬は一族で、思想も似ていたとすれば、それはそれで興味深いです。
龍馬暗殺の真相が見えてくる気がします。
まず当時の史料を多数見れば、信長は勤王家そのものというのが分かります。              
なので、光秀が勤王家の信長を討ったのとは逆に、龍馬は勤王家から危険視され抹殺されたのかも知れませんね。
日本の歴史というのは、天皇や伊勢神宮を大事にしたい人と特にそう思わない人とのせめぎ合いだったかも知れない。
そんなところにまで、憶測が膨らんだ本でした。
これまでの歴史研究って何だったのか? ★★★★★
数年前に本能寺の変に関する諸説を書いているブログを見てから、それまで興味のなかったこの時代の歴史に興味をもってからいろんな本を
読んできましたが、正直しっくりくるようなものは1つもありませんでした。

おそらく、今までの歴史研究では、謀反の動機ばかりに議論が集中して、どうやってそれを実行に移したのか?という部分に関する議論が置き去り
にされたまま、自説を展開するということが繰り返されてきたことが、腑に落ちない本にしか出合えなかった原因だと思います。

この「本能寺の変四二七年目の真実」では、そういった今まで腑に落ちなかった部分をすべて払拭してくれるだけの証拠提示と論理構成がされて
いる文章で、普段読んでいるビジネス書を読んでいるような感覚にもなりました。

秀吉や秀吉側の人間による様々な改竄は予測できましたが、本能寺の変に深く関わっている人物に光秀が仕えていた(信長に仕える前)過去、
これが一番インパクトがあり、本能寺の変を点で理解していた部分が線になり、読み終えた頃には立体にまでなるまでになりました。

本能寺の変に関する謎はほぼすべてこの本で解決したと言えますが(著者ブログにて書籍では書ききれなかった部分の補足などがされています)、
逆に既存の歴史研究に対する不信感というか、研究者たちの論理的思考力のなさに閉口しました。

ぜひ、この本の内容が大河ドラマ化だけでなく、教科書や世間の認識を変えるだけの流れになってもらいたいものです。

■追記:著者ブログのURLを掲載しておきます。
http://blog.goo.ne.jp/akechikenzaburotekisekai
すっきりしません ★★★★☆
明智光秀のご子孫であり「427年目の真実」と云うタイトルでなので、ぜひ読みたいと思い読んでみましたが、読後すっきりしません。春日局が斉藤利三の娘であり、局の子孫が家康に取り立てられたことから、以前から光秀と家康の何等かの繋がりはあるのではと考えていましたが、信長と光秀の家康殺害計画を逆手にとって、家康と光秀が密約を結んで信長を殺したと言う説明はすっきりしません。あまりにも信長が間抜け過ぎる気がします。戦国時代には細川氏・三好氏の内紛や荒木・別所・波多野氏らの謀叛、松永久秀と三好三人衆の裏切りと対立を考えると源平時代や鎌倉時代の戦いとは違い、動機も様々で、現代人には理解し難いことが多いと思います。本書はある程度ポイントを突いていると感じましたが、読後なぜか曇りが晴れません。私なりにも色々と推理していますが、荒木村重が謀叛を起こした時に、光秀は信長の命を受けて村重説得に有岡城へ赴いています。光秀謀叛の動機が村重謀叛と関連しているような気もしています。秀吉も有岡城へ乗り込んで村重説得に当っていますが、秀吉の大返しが、荒木に幽閉された黒田官兵衛によってもたらされた情報によるのではないかとも疑っています。黒田は何か情報を得たから幽閉されたのではないでしょうか。その情報は光秀に関する情報ではなかったかと疑っています。
数ある本能寺の変の分析で、貴重な光秀サイドからの分析と言えますね。 ★★★☆☆
種々雑多な本能寺の変の分析において、この本の表紙の帯にある「光秀の動機は、土岐明智家の滅亡の恐れにあった」というのは非常に好感が持てて、購入するきかっけとなりました。というのは、光秀が謀反の張本人であることを否定していない、その上で動機を何に求めているか、ということを示しているからと言えます。
 
本能寺の変の謎としてよく挙げられる事象として、 
■なぜ信長が少数の人間だけを率いて宿泊していたか 
■なぜその少数部隊の信長を討つのに光秀が1万を超える部隊を率いてきたのか 
といった点が、議論の主題に据えられる気がします。
 
作家系の八切止夫氏だったか円堂晃氏だったですか、もともと信長が朝廷のクーデターを起こさんとして本能寺に結集しようとしていたといった仮説を立てていらっしゃいました。この本では家康暗殺がそもそもの狙いであったとの仮説が打ち立てられています。確かに、信憑性高い「本城惣右衛門覚書」などでは「家康殿を討つのかと思った」といった記述が見られ、世間的に家康が早晩ターゲットになるだろうとの世間の風評が伺える訳ではありますが…。この点で、なぜ信長が少数で本能寺に宿泊していたかを類推するということを出発点とする議論と性格を同じにする分析本といえると思います。
 
しかし…、世間でそこまで伺われる程のことであるなら、家康がのこのこ上洛してくるのかなぁ…。あるいは、家康部隊は実はそのリスクを踏まえて街中を護衛していたのかもしれないし。
 
ということは、松平一族の文書における本能寺の変への言及も合せて研究しないといけないだろうし、あとはフロイス側、義昭を囲っていた毛利側、周辺の大名における回顧録、一番の期待は朝廷側の記録なんかも総合して考えないと事の真相は判別出来ないだろうなということが改めて再認識させられます。細川幽斎なんかは信長の慰霊式典まで開催している訳で、何か文書を残していると期待したいところなんですが。
 
とにかく、本能寺の変直後の文書を総合的に分析しないことには、本能寺の変の真相が全く分からないということは良く理解できる本ですね。返って謎が深まる本。この本だけではなく、関連する本を全て読破しないと駄目ですね。それでも、もちろん結論は出ませんが。