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君よ わが妻よ

価格: ¥13,689
カテゴリ: 単行本
ブランド: 文藝春秋
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「クローズアップ現代」で紹介されていた本、読んだら泣けて泣けてしかたありませんでした ★★★★★
 NHKの『クローズアップ現代』で紹介された「戦場からのラブレター」を収録しているのがこの本と知って、さっそく読みました。
 サラリーマンだった少尉さんが、若くて美人で頭のいい奥さんを日本に残し、戦地に行かなければならなかったつらさ、悲しさ。遠く離れても愛情を確認せずにはいられない純情さ、まっとうさ。それが痛いほど伝わってきました。
 読んでいて、数ヵ所で涙がにじんできて、あの時、日本は、戦争をしてはいけなかったのだということが強く胸に迫ってきました。 
 それから、なんてこのご夫婦は上等な日本人なのだろう、しかし、それが特別ではなく、当時の日本の夫婦のごくありふれた姿だったのだろうと思うと、あの頃の日本人がみんなけなげに生きていたことにも感動しました。
 表紙に憂いげな表情で写真に映っている奥様が、戦地の夫に宛てた手紙が本の終わりのほうに出てくるのですが、この手紙は、日本人のみならず、アジアの人々、いや世界の人々に読んでもらいたいたい貴重な言葉にあふれています。「クロースアップ現代」でも朗読されていましたが、夫が書いた75通の手紙にこれ一枚で匹敵できるすばらしい手紙です。
 でも、その手紙が戦地に届いた時には、もう既に少尉は戦死して、この手紙を読めなかったのかと思うと、それが、あわれでなりません。
 少尉が苛烈な戦場にあって死を覚悟し遺書を綴った日、この奥様は周囲に勧められて気晴らしにと当時の大ヒット映画「愛染かつら」を見に行ったということです。そのことを戦後なくなるまでずっと悔やみ続けたことを、著者である娘さんは本の中に書いていました。それもまた、なんと痛ましくも美しいエピソードでしょうか。
 心洗われる思いで読みおえ,この本を戦争を知らない子どもたちと戦争を知らない元子どもたちに読んでもらいたいと思っています。
 
祖父江慎の装丁に惹かれて買ってみたら… ★★★★★
本を読んで涙を流したのはいったい何年ぶりのことだろう。読み進むにつれてどんどんひきこまれてしまった。72年前の、戦争に引き裂かれたある夫婦の物語なのだがまったく古臭くない。というか、とてもリアルで映像的。祖父江慎のブックデザインも素敵です!
ふつうの家庭の幸せが戦争でもろくも壊されるリアリティ ★★★★☆
著者の父親が日中戦争の最初の出兵にかりだされ、
1年あまりの転戦のはて、戦死する。
著者は、父親の出生後に生まれたので、父と接することができなかった。
こう言ってしまうと「ありふれた戦争犠牲者の悲しい物語」と片付けられそうであるが、
この本にはそんなステレオタイプの評価を越えたものがある。
出征した父親は戦地から75通もの書簡を書いている。
軍事郵便は必ずしも、すべてが日本に届いたわけではないそうだから、
おそらくこれを超える手紙を妻に書いているのだが、
将校だからできたという点を差し引いても、
激戦のさなか寸暇を惜しんで手紙を書いたのであろう。
妻のこと、息子のこと、誕生間近の子のことを気遣う父親の情感が、
胸に迫ってくる。
日常のこまやかな事柄について妻と手紙でやりとりするのであるが、
転戦する軍隊ではもどかしい。
妻の身を案じ、きわめて率直な愛をかたる父親。

実際の手紙の一部や、遺書などが掲載されているが、その達筆にも驚かされる。
この父親の教養の高さが、ひと目でわかる。
またその父を失った著者の深い悲しみが、全編をとおして伝わってくる。
夫婦や家族の絆に疑問を抱きがちな今に、
本書は率直で虚飾のない本当の愛情を教えてくれるのではないだろうか。