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ドイツ参謀本部-その栄光と終焉 (祥伝社新書168)

価格: ¥864
カテゴリ: 新書
ブランド: 祥伝社
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ドイツ軍隊の強さ ★★★★☆
 ドイツ軍隊はなぜ強いのか。負けから学ぶと同時に、頂点に上り詰め、そしてなぜ崩壊したのか?最強軍団が崩壊していく様も描かれる。アイディアと実践。経験の分析。戦争とは何か、ということを突き詰めることで強さを発揮し、そして君主に敗れる。ライバルも環境も必要だろう。引き込まれる本でした。
新書として、今でも読むに耐える内容 ★★★★★
ドイツ参謀本部の歴史のみならず、ドイツを軸とした近代欧州戦史を概観するには類の無い好著である。

研究手法と言う観点から言えば、本書よりも学術的な翻訳書は幾らか邦訳されている。
しかし、新書で、かつ200頁代という分量でドイツ参謀本部を概説している書物は他に無い。
ドイツ近現代史を扱う多くの学術論文や学術書で本書が参考文献に挙がっている事実は、
軍事に関する知識を求める多くの学徒にとって、本書が読むに耐える書物であることを示している。

加えて本書の底本は1974年に中公新書から刊行されているが、
内容は今から見て新しいということこそ無いものの、古いということもないのである。
近年の研究を踏まえていないことも確かであるが、それ故に筆者の立場も分かるものと言えよう。

すなわち筆者は冷戦期の多くの解説者と同様、クラウゼヴィッツの『戦争論』に文民統制の範を求めている。
ビスマルクと大モルトケのパリ開城をめぐる批判や、第一次世界大戦前のドイツ外交の失敗を批判するのは
筆者が政軍関係に於ける文民統制という原理を受け入れていればこそである。
Azar GatやPeter Paretの研究を踏まえれば、これらの批判の妥当性も議論の対象となり得るが、
概説書としての本書にそこまで求めることもあるまい。

本書のまえがきで筆者は軍事に関する知識が、欧米知識人や指導的立場にある人々にとって必須の心得であると説いている。
それは、政治、特に国際政治を論じる際には軍事の知識が不可欠という、著者の立場に根差したものであろう。

しかし、本書自体はそれほど肩に力を入れて読む程のものではなく、楽しんで読めるものである。
実際、本書は著者自身がドイツ留学中に、純粋な興味から史料を集めて書いた書物なのだから。
抜群の面白さ。 ★★★★★
圧倒的な勝利の後もオーストリアの首府には入城させなかったビスマルクの政治感覚。
自分の影響圏内にある事を黙々とこなし、周囲の信頼を得ながら着々と自分の影響力
を拡大していったモルトケの人格。モルトケの天才性が際立つ。戦略と戦術の違いを
はっきり理解し、戦争の本質を見事なまでに洞察していたように思う。

ドイツ参謀本部の興隆をシャルンホルストから始まり、人物中心に捉えて渡部流(軍団調?}に
語っておられる。私個人、軍事関係が好きなせいもありますが、ゾクゾクするほど面白い。
数十年前にも読んだ記憶がありますが、少しも色褪せない名著だと思います。
再刊を感謝します。

ドイツの成功と失敗から学ぶ ★★★★★
ナポレオン戦争から第2次世界大戦までドイツ参謀本部を
中心に概説している。著者は参謀本部をシステムとして
見ており、その成功と失敗から現代の組織論の教訓にしよう
としている。

本書の山場は2つ、ナポレオン戦争と普仏戦争である。だが
ただ戦争に勝てば良かった前者と比べ、勝利後のバランスも
考えた後者は断然面白い。

特に関心を持ったのが大モルトケとビスマルクとの関係だ。
彼らは性格的には対立しながら、お互いの守備範囲を侵さず、
お互いを尊重しながら良い意味で競い合っていた。このよう
に参謀本部の成功の鍵は軍人と政治家との力の均衡にある。
それの均衡を崩したのがヴィルヘルム2世であり、
ヒトラーである。

山場は上記の通りだが、それ以外の著者の言うところの
「鳴かず飛ばずの時代」の記述も丁寧で、単に
「参謀本部の歴史」としても良書である。
渡部史観 初期の傑作 ★★★★★
祥伝社で再刊されているのを偶々発見し,
久しぶりに通読した。一気に読まされた。
参謀本部の勃興,モルトケによる栄光と
ビスマルクの偉大さ,そして偉大な
リーダーを失った参謀本部の終焉,
渡部氏は自らを歴史の素人と謙遜するが,
堂々たる1級の歴史概観である。
石原莞爾氏の最終戦争論を次に読むと
良い。軍事にうとい我々日本人も
軍事知識が真の歴史認識に必須である
ことが理解できる,と思う。
最後に渡部氏を誹謗する,専門家たる
歴史家への反論も見事である。
一読に値する。