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東欧革命1989―ソ連帝国の崩壊

価格: ¥2,248
カテゴリ: 単行本
ブランド: 白水社
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指導者の姿 ★★★★☆
 機は熟していた。レーガンは軍縮交渉の相手を探していた。ゴルバチョフが登場して総てが始まった。
 ゴルバチョフは共産主義に全幅の信頼を置いており、理想のソビエト連邦を築くために東欧諸国の自立を望んだ。共産圏の指導者たちにとって、まさに驚天動地の事態であった。自らの力で自国を運営するという当然のことが、彼らには受け入れがたいことと映った。
 東欧諸国は、現体制の下で事実上破産しており、方針転換は必至のことであったが、ゴルバチョフの思惑をはるかに越えて、下からの変革の波は、速やかに波及する。
 指導者とはこのようなものかと思わされる場面が多々ある。
 平和主義者としてのレーガンの像には目を瞠った。為すべきことを自覚した人間の姿を見た。レーガンの後を襲ったブッシュの忍耐力にも驚嘆した。もし彼が自重できず、逸ったとしたら、多くの国での、無血の体制移行などありえなかっただろう。
 共産主義国家の無慈悲きわまる体制については、知識として記述されていても、感触としては理解できない。だが、そうであったとしても、巨大な圧力に抗して、ゴルバチョフが共産主義の理想を信じ、大鉈を揮ったことはよくわかる。確かに彼には大義があった。
 時系列に沿い、小さな章の連なりから東欧革命の全体がよくわかる。細部に及ぶ記述の中には、驚くようなことも多かった。共産圏の優等生と思われてきた東独が、破産間際であった事実には唖然とした。
 それにしても、何と魅力的な人物の多いことか! どこか明治維新前夜を思わせる。指導者同士のつながりのなかにも、単なる利害を超えた自国への思いを感じ、しばし考え込んだ。
今 この時代に読むべき本 ★★★★★
とにかく読みましょう。絶版にならないうちに。この本はこれからの時代の変化の中で、どのように振舞うべきなのかを教えてくれる羅針盤のような本です。ただの歴史の本だと思うと2000円の価値すらもないかもしれませんが、全然別の読み方をすれば価値は無限大です。
とくにリアルタイムでベルリンの壁の崩壊のニュースを聞いていた方に、お勧めです。
国内の報道のソースがいかに貧しいものかを如実に知ることができるでしょう。そしてそういう情報の示す価値観を信じてしまう危うさにも。