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女が家を買うとき (文春文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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世間知らずの作者と、解説の人気作家 ★☆☆☆☆
作者に共感できない・・・だけなら、これは本書との相性が悪かったですむ。しかし、解説の群よう子にも、シンクロできないとなれば天敵同然だ。まず作者が最終的に家を買った手段。なーんだ、結局それかよ(未読の人のために伏せる)という結末で、本書は家を買うための参考書にはならない。そして解説・群よう子の「どうしてそんなに家がほしいのかわからない」という言葉も、ガッカリ。だって、解説者は年収がン千万のひとだ。家なんかいつでも買えるわけで、いつでも買えるものをそりゃあ切実に「ほしい」とは思えないさ。本当に家がほしいのは、低収入のひとだ、という現実をこの人気作家は知らない。いまマンションを買うなら、頭金なしで、月々8万円台というケースがごろごろある。毎月の家賃で13万円台(家族3人暮らしなら東京でこれくらい)を払うなら、買ったほうが得というより、毎月、5万円の差額が出ることはとても大きい。誰もが家の所有欲を満たすために、「ほしい」「買いたい」と思っているわけではなく、いま書いた毎月の家賃差額のために購入を決めているひとのいかに多いことか。世間を甘く見たまま暮らしていける環境の作者が本を書き、世間知らずの作家が、解説を書いた。これはそういう能天気な本。私は、怒髪して、群よう子の本を全処分することになった。