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アジア定住―11ヵ国18人の日本人

価格: ¥1,620
カテゴリ: 単行本
ブランド: めこん
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普通の人々の人生 ★★★★☆
旅人ではなく、住人としてアジアの国々に定着した人々を追ったルポルタージュである。

アジアに定住した理由は人それぞれである。海外派遣、結婚、活躍の場を求めて・・・それぞれ多様な背景を持った人々がちょっとしたきっかけでアジアに定住することになった。日本を離れ、アジアに定住するからと行って彼らが特殊な人生を日本で送ってきたというわけでもない。ほとんどが「普通」の日本人たちである。そうであるからかもしれないが、アジアで生活することへの特別な気負いは見られない。過剰に日本人であるという意識を持っている様子も見られず、自然に現地に生活しているという印象である(そうでなければ長く生活できないともいえようが)。

ただ、皆が日本人であるということがアイデンティティーとして重要な位置を占めているということは興味深いことである。
カルチャーショックもなくアジアになじめた人も、日本にいる時は日本人であることを意識したこともなかった人も、アジアで生活するうちに周囲と自己の同一性や異質性を体験するうちに、日本人である自己について意識せざるを得なくなったのである。日本人であると言うこと自体が世界的に見れば既に「勝ち組」の一員ということだけでも比較的均質的な日本社会から見れば驚きである。厳然として越えがたい階級や宗教の壁の存在も日本ではあり得ない。そのような体験をすると言うことは既に彼らは「普通」の日本人ではなくなったということだろう。

執筆された年代がバブル時代である。ヤオハンといった懐かしい名前も見える。情勢の変化により日本に帰国された方もいるとのことである。
「プロローグにかえて」において日本における閉塞感について語られている。当時よりより閉塞感が強くなった21世紀初頭の日本において「アジアで生きる」という生き方はより重要な意味をもたらしうるのではないか、ただそればバラ色に輝くものではなく、より現実的になった選択肢の一つである。
アジアの人々のメンタリティと日本の閉塞性 ★★★★☆
日本人は戦前から海外に移住してきた歴史があるにもかかわらず、その声を扱った本は少ないのではないかと思う。最近では各地に日本人会がある。その大半が企業の駐在員家族で占められており、定住者とは一線を画した現地での生活ぶりが伺えるようである。アジアはいまだに貧富の差から抜け出せないでいる弱者が大勢いるが、概してたくましく、日本人に対しては歴史的な経験から厳しい面も見せる。彼らとどう向き合い、彼らが持つアジア的な優しさとはどのようなものなのか。日本に閉塞感を感じるのはなぜなのか。個々の国々の背景と民族性をとうして日本人の生理を考える為の良書と言えるだろう。
アジア各地へ定住するのもありかな ★★★★☆
 『コリアン世界の旅』で第28回大宅壮一ノンフィクション賞と第19回講談社ノンフィクション賞をW受賞した野村進さんが、日本を飛び出してアジア各地に定住した日本人を取材して、現地での生活における苦悩や喜び、そして失敗や成功を綴る。
 この本を読むと、日本から外に飛び出した人は日本のことを本当に良い国と感じるか、窮屈でどうしようもない国だと感じるか両極端であることに気付かされる。また、アジア各地に飛び込んでいった人の中でカルチャーショックを受ける人が極端に減っていることにも気付かされる。
 
 いつか日本を飛び出して、アジア各地に定住するのも大いにありかなと思わせられる本である。

 ソレデハ…

アジアに暮らす ★★★★☆
取材対象に全身で感応してゆく
ルポタージュです。

ちょいとそこまで引っ越すように,
アジアのほかの国へと移り住んだ人々の日常を
クールか熱いかというと熱い文体で
紹介してゆきます。