非情な政治メカニズム
★★★★☆
この本は、総理大臣を頂点とする政治を動かす人々にまず第一に読んで欲しい。理念や理想に燃えた政治、政策が如何に人々の生活、人生を翻弄し押し流していくか。
敗戦直後の混乱した時代に実際に起こったことを通じて作者は訴えている。「官」の政策遂行者、「民」の実働部隊、押し流されて最後はコロニーで間近に死を感じつつ生活する女性達。一人一人の考え行動が丁寧に描き出され、悲惨さが真に迫って来る。
決して過ぎ去った政治のメカニズムではない。現代でもあちこちで政治が悲惨な生活、人生を作り出している。薬害エイズ、耐震強度偽装、タクシー規制緩和などなど。
政治を司る人々は、この本を読んで身を引き締めて欲しい。