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わが上司 後藤田正晴―決断するペシミスト

価格: ¥1
カテゴリ: 単行本
ブランド: 文藝春秋
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主人公は後藤田正晴ではなく、佐々淳行。 ★★★☆☆
後藤田氏との関係を時系列的に描いている著者のドキュメンタリー自分史パート7。内容の中心は、後藤田氏の指示の下、著者が内閣安全保障室長としてペルシャ湾掃海艇派遣問題などに取り組んだ経験である。

特に印象に残った記述は以下の3点。
・後藤田五訓の第三『勇気ヲ以テ意見具申セヨ』について、「どうしましょう」ではなく、『私が総理なら、官房長官ならこうします。』と対策を進言すべき。
・後藤田氏は、報告書は赤、黒、青、などのカラーサインペンでアンダーラインを引きながら、書き込みをしたりしながら熟読し、問題点を鋭く的確に捉え記憶した。
・後藤田氏は、外面が良く内面が悪かった。まるっきりダメな奴は叱ってもしようがないからほめていた。

雑誌の連載をまとめたものなのか、読み終わっても、著者から見た後藤田正晴像の全体像が見えてこなかった。本書の主人公は後藤田正晴元副総理ではなく、佐々淳行内閣安全保障室長である。

このタイトルは違うのでは。 ★★☆☆☆
出張に行く新幹線の中で読むために、駅で買いました。
著者の方はよく知らなかったのですが、後藤田正春氏という名前に興味があって。
いつになったら後藤田氏の話になるんだろうと思いつつ読み進めたのですが、半ばを過ぎてもほとんどが著者の経験談。
後半のページをぱらぱらとめくっても同じようで、ついに途中であきらめてしまいました。

内容はともかくとして、このタイトルはひどいのでは、と思ってしまいました。
そんな疑念が念頭にあったせいか、内容も一方的な記述が多いような気がして、残念でした。
内閣安全保障室長、佐々淳行 ★★★★☆
本書は、中曽根内閣での安全保障室長だった佐々淳行氏と、その上司であった官房長官、後藤田正晴氏との働きぶりを中心とした、回顧録です。
この時期の日本の危機管理は、確固たるマンパワーに支えられて、うまくいっていたように思います。日本人としては、むしろ冷戦終了後にこそ、後藤田さん、佐々さんみたいな、有事に強い人が、リーダーとして存在して欲しいんですけれど、、、

蛇足ですが、マスコミでは悪玉にされちゃってましたが、まだヒラ大臣時代の橋本龍太郎が、佐々氏に時々さりげなくコメントしくんですが、それがすごくセクシーで、びっくりでした。
奇才・後藤田正晴の素顔に迫る ★★★★☆
 官僚としての著者の自叙伝といった内容ではあるが,その「特別権力関係」上の上司として故・後藤田正晴元官房長官の姿が紹介される。
 内閣五室長制度の誕生とその成果,三原山噴火や防衛費1%枠問題,東芝ココム事件等で見せた鮮やかな危機管理など,後藤田先生が極めて偉才な政治家であったことが,部下であった著者の目を通して細かく観察されている。
 著者の身を挺しての諫言と後藤田先生の叱声が飛び交う丁々発止のやり取りが興味深く,迫力ある危機管理読本である。
護民とは?未曾有の大事件に毅然と臨む上司・部下。 ★★★★☆
僕は政治に特別興味がある人間ではありませんが、度々ニュース番組で拝見する好々爺っぷりと含蓄のある言葉に、後藤田さんがどんな人物なのか興味を持っており、本書を手にしました。
あくまでも長年後藤田さんの元に仕えた佐々さんの視点で書かれており、後藤田さんの半生記的な内容ではありません。中盤から後半、上司・後藤田、部下・佐々が幾多の昭和の大事件に機転を利かせて毅然と対処していくくだりは大変スリリングでした。
また、佐々さん自身のキャリアにも多く触れられており、その異端児っぷりや、後藤田さん以外の上司に関する記述もそれはそれで面白く読めました。
戦前の「護民官」という言葉についても本書で知りました。この言葉の本質的な意味があらためて問われるべき時代に、つくづく惜しい方を亡くしたのだと悟りました。ご冥福をお祈りします。