通りすがりのバイオ研究者
★★★★☆
脳科学、細菌学、ウイルス学、BSE問題あるいは宇宙論と、
幅広く勉強されている様子がよく分かる。
著者の意外な一面を見た気がした。
つまるところ、マスコミにも問題があるが、
世の中の出来事に対して、相応の知識を持って
感情的にはならずに、理性的判断することが求められているのと思う。
その点は何度も強調されていたし読んでいて納得した。
科学のおもしろさをおしえてくれます
★★★★★
「青春と読書」の連載エッセイの書籍化です。櫻井さんは理系の背景をもっている人ではありませんので、「科学のことをおしえてあげるわよ」というスタンスの本ではありません。彼女が感じた、科学的で楽しい世界に、いっしょに散歩してくれるような本です。
「いっしょに科学の楽しさをみつけましょう」というスタンスです。そういうわけで、文系の方でもわかりやすく、読むことができます。
たとえば、人間の赤ちゃんはお母さんに興味をもちません。これは哺乳類では人だけの特徴なのだそうです。しかし、愛情を注ぎ、安心を与えてあげると、脳の働きがかわってくる。
「ヒトは愛されて初めて人間となり仲間遊びで成長する」というフレーズから、科学の散歩がはじまります。なるほど!とひざをうつことばかり。お勧めです。
科学はこんなおもしろい
★★★★☆
「ゆとり教育」によって、理科の時間が少なくなり、科学離れが進んでいるようです。
そのことに危機感を感じている著者が、「科学はこんなにおもしろい」ということを伝ようとしています。
その意図は、おおむね達成できていると思いました。
脳と子育ての話、BSE問題、ウイルスと人間生活、人類の起源、地球の誕生、遺伝子の話など、興味深い科学の話が綴られています。
科学入門書として読んでも、おもしろい本です。
それなりに興味深い
★★★★☆
本書は、2005年3月に、同名で集英社から出版された本を加筆して文庫化したもの。おおもとは集英社の「青春と読書」への連載であり、脳やBSE、SARS、HIV、旧石器遺跡捏造などなど本当に様々な分野について、1項目10ページぐらいの分量でとりあげている。
著者の知的関心の幅広さを感じさせ、日ごろ科学に縁遠い文系人間にとっては、たまにこんな話に触れてみるのもよいもので、興味深く有益に感じた。
しかしその一方で、どの項目も余りに短く、ちょっと触れる程度になるので物足りない感じもする。また、基本をていねいに解説するようなタイプの本ではないので、科学知識の全くない人が読むと興味を感じられないかもしれない。
著者の筆の素晴らしさ
★★★★★
脳、ウイルス、遺伝子などについて、図も使わずに言葉だけでわかりやすく説明してくれます。文系の方も理解しやすいと思います。
ただ単に科学の事象を語るだけでなく、その現象や発見の社会的意義を示しているので、理系の方も退屈せず読み進めれるでしょう。
著者の筆の素晴らしさを感じます。