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家族が自殺に追い込まれるとき (講談社文庫)
価格: ¥1
カテゴリ:
文庫
ブランド:
講談社
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労働者を救済する本
★★★★★
労働災害補償は労働中の事故よりも、むしろモラルハラスメントによる精神的な病による事例が多いのではないか。自殺に至った事例を丁寧に追跡調査し、いかに被告側が自殺原因を死傷病扱いにしようと画策するか。組織的な権力によって管理指導のもとに、誠意ある労働者を自殺へ追いやっていのかを追求している。自殺という社会的偏見のタブーを越えて、遺族と労働者が裁判を通して正しき判決を求めてねばり強く闘う勇気に感動を覚えた。
日本製品の質の高さの影に、理不尽な労働強化、合理化という名の緩慢自殺誘導、過労死や心労自殺にまでに追いやる現代奴隷労働の実態があることが痛々しい。自殺には至らないが、うつ病のまま人間の尊厳を粉砕された過労自殺予備軍への自殺予防行動を家庭だけに求める段階ではない。労働者の権利を守る教育は、義務教育の必須ではないだろうか。
残された家族、特に妻の心理にばかり添いすぎ
★★★☆☆
自殺に追い込まれて行く心理や、それを決行する心理、そういったものに興味があって読みました。けれど、当然と言えば当然ながら、社会の中で押し潰されて疲弊し、家族を残して自殺する男(夫、父親)の心理は、家族の話からは読み取れませんでした。
残された家族が、自殺した夫の為に「責任を追及し責める」相手は、本来「会社」だけであってはならないと思います。妻として、子供として、もっと何かしてあげられたのでは?という自責の念が必ずある筈ですが、その面は一切書かれていませんでした。どんなに疲れている夫に対してさえ家族サービスを求める「家族」というものの重さも、自殺にまで追い込まれた男にとっては、ある面で負担になっていると感じます。そういった自分の非を感じたくない為かのように「会社」を責め裁判に訴えて何がしかのお金を要求する、という行為は、非常に厳しい言い方ですが、真実から逃げているに過ぎないのでは?と感じました。
それで夫は本当に救われるのでしょうか?
そんな疑問を感じる本でした。
社会の暗さ、自殺の驚異
★★★★★
それにしても、何でここまで自殺が多いのか。いくら不況で、大幅なリストラが迫られているとしても、ここまで自殺があっていいんだろうか。
私は、これまで多くの死に関する本のレビューを書いてきたが、殆ど全ての死は見事なものだった。しかし自殺と言うのは、一人の人間を追いつめ、生きる道を奪い、自らの存在否定に追い込む社会の恥部である。
これは、鎌田さんらしい社会問題の恥部を描いた著である。どうか、これを1度読んで、自殺の暗い素顔を正面から見つめてみたらいかがだろうか。