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マラソンランナー (文春新書)

価格: ¥1
カテゴリ: 新書
ブランド: 文藝春秋
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新書ではなく単行本での出版という選択はなかったのか… ★★★★☆
主人公として取り上げられた6名は、著者が考える、その時代の日本を象徴するランナーである。東京オリンピックの頃を象徴するランナーとして、円谷幸吉ではなく君原健二を取り上げているのが如何にも彼らしい。もっとも、著者は登場する人達に円谷のことを必ず訊ねているので別格ともいえるのだが…。

著者は、そのランナー自身にとって最も印象深いレースは何か、何を考え、何を目的に走るのかということを取材する。そして、その結果が日本のマラソンランナーの思想の変遷となっている。著者は短篇作品であっても何度も取材を重ねてその人物像を描く作家なのだが、この作品ではそういう様子は伺えない。よって、章を構成する個々の作品は、著者のほかの短篇作品と較べるとチョット物足りない。この作品のために取材した章と、そうではなく過去の自作をもとに構成されている有森裕子の章を較べると違いがわかる。

しかし、全編あわせて一つの作品と考えて読んでみると、日本のマラソン史とランナーの思想がコンパクトにまとめられたいい作品である。ただ、枚数の限られた新書ではなく、単行本という選択はなかったのかなぁと残念に思う。
これで2時間飽きずにマラソンがみれます。 ★★★★☆
マラソンをテレビで観戦していると、ただ眺めているだけをいうことがほとんどでした。この本を読み、マラソンを通して語られるそれぞれのランナーのドラマにマラソンの奥深さを実感しました。それと同時に、長い歴史を刻むマラソンだけに、特にアスリートの思想も時代と共に変化してくるものだということがよくわかります。アスリートの思想史のような側面も持っているような本という気もします。
マラソンに時代が投影 ★★★☆☆
マラソンには時代が投影されている。

植民地支配のため日本選手として走らざるを得なかった韓国人孫基禎、国民の期待に押し潰されて自殺した円谷幸吉の時代から、マラソンは自己実現の手段とする有森裕子、あるいはただ走ることが好きと言う高橋尚子の時代へ。「国や会社のため」ではなく「自分自身のため」が増えることは世の進歩だと著者は語る。その通りだと思う。

1970年代初めまでマラソンは女人禁制で、女子マラソンが正式種目となったのが1984年のロサンゼルスオリンピックという事実も、現在の女子マラソンの隆盛を考えると意外に思える。