「ニューウォー」に対峙するために
★★★★★
1985年初版。「スペシャリスト」とは「対テロリスト超エリート工作員」のこと。「事件は全て事実、登場人物も実在」との事。本書は1985年初版であるが、内容的には9.11を経験した今読むと実感がわく。著者がかかわった10のミッションの内容が書かれている。著者は「超現実の世界」と言っている。しかし不謹慎とは思うが「極上の短編サスペンス」として楽しめてしまった。著者は現役の傭兵であり責任者として任務を遂行したスペシャリスト。傭兵だから必ずしも母国の関係することがらのみに対処していない。実際に著者に会った落合氏によれば、そもそも「著者の母国が不明」。
1:レバノン 2:北アイルランド 3:西ドイツ 4:アメリカ 5:スペイン 6:ギリシャ 7:スペイン、フランス 8:イギリス 9:エジプト 10:イラン、イラク
「著者からのノート」「著者のまえがき」は、10ページにわたる生々しい白黒写真とともに、本書を読むにあたっての予備知識が書かれている。知らなかった世界を見せられた衝撃は大きかった。きれいごとでは済まされない事実が世の中には山ほどあることを実感。