ノンフィクションの金字塔
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ドミニック・ラピエールとラリー・コリンズの作品にはイスラエルの建国、インドの独立を題材にした名著があるが、この作品が彼らの原点。連合軍によるドイツ支配下のパリ解放の数日間を克明に描いた。ちなみに「パリは燃えているか?」とはパリを焦土にする命令を出したヒトラーが繰り返しパリのドイツ軍総司令部に送った訓電の文面。ドイツ陸軍パリ占領軍司令官のフォン・コルティッツは命令に反逆。パリをほぼ無血で連合軍に引き渡した。パリ解放(陥落)も数日間を、市民、レジスタンス、ドイツ軍人、フォン・コルティッツ司令官など多彩な人間のそれぞれの行動を克明に記録、インタビューし、解放の数日間のドキュメントをこの大著にまとめた。ドキュメンタリーとしても、手に汗握る物語としても読み応えがあるし、読むほどに本にどんどん引き込まれてゆく。