第2次世界大戦下の南大西洋。マレル艦長(ロバート・ミッチャム)率いるアメリカ駆逐艦ヘインズ号は、ドイツ軍Uボートを発見。一方、そのUボート艦長フォン・ストルバーグ(クルト・ユルゲンス)は、敵の暗号書を本国へ持ち帰るという重大な使命を持っていた。かくして米駆逐艦と独Uボート、男と男の意地を懸けた壮絶な戦いの幕が開ける!
あたかもゲームのようなスポーティ感覚で男同士の戦いを描いた戦争映画の傑作。お互いが知略を駆使しての厳粛なシーソー合戦が、実にスリリングかつダイナミック。しかもどちらも公平な視点で描いているあたりが好感の持てるところだ。好戦反戦といった思想的姿勢よりも、戦争を題材にひたすら映画の醍醐味を追求した好例ともいえよう。主演ふたりの熱演も、熾烈な戦いに拍車をかけてくれている。監督は『征服者』『追撃機』などで知られるディック・パウエル。(的田也寸志)
最後の駆逐艦の艦長の騙し討ち的反撃がなぁ…。
★★★☆☆
それまでは昔の映画とは思えないほどの見応えある映画でした。まさに頭脳戦!キレ者の艦長達の2手、3手先を読むやり取りは大変面白かったが、個人的にはタイトルでも述べたが、Uボート艦長の情けに付け込むかのような駆逐艦の艦長の騙し討ち的反撃に覚めてしまい(ま、それが戦争だ!と言われればそれまでですが…)、ラストでの救援も「後ろから殴っておいて謝る」ような感覚に落ちいてしまいました。その救援劇も時限爆弾が作動して時間的猶予がないはずなのにまどろこしっく「もうとっくに爆発してるのでは?」と思ってしまいました。個人的にラストの展開に引っかかるものがあるものの、実際の駆逐艦や爆雷の波しぶきなどは迫力とリアリティもあり、駆逐艦と潜水艦の戦(いくさ)が大変よくわかる貴重な映画ではあると思います♪
派手なシーンは無いのですが、
★★★★★
他の皆さんも書いているとおり、ラストにすがすがしさの残る映画です。と同時にこの二人が、再び戦場に繰り出すことになるのかと想像すると、やりきれない思いがします。
また、指を失った時計職人のシーンが、戦争の残酷さを、声高にではなく訴えてきます。
最近の映画によく見るような、悲鳴やパニック、血まみれになるシーンなどはほとんど無く、その代わり、静かなそれでいて息の詰まるようなシーンが、この映画の重みを増しています。
特にUボートの中での沈黙のシーンは、ものすごい迫力で、見るものに迫ってきます。
試しに他の国のアマゾンも見てみましたが、どの国(中国だけは検索ができませんでしたが)でも星4〜5の評価が出ていました。
胸熱くなる終盤の展開が素晴らしい
★★★★★
第二次大戦下の大西洋で、アメリカの駆逐艦とドイツの潜水艦Uボートが死闘を繰り広げる戦争映画。
敵の次の動きを読み合う艦長(アメリカ側・駆逐艦長にロバート・ミッチャム。対するドイツ側・Uボート艦長にクルト・ユルゲンス)の頭脳戦。お互いの我慢比べの様相を呈してきた持久戦の息詰まる攻防。その駆け引きのスリリングな面白さ。
劣勢に立たされたUボート艦内で、「まだ、あきらめちゃいかんぞ」とばかり、レコードの音楽をかけ、自分を含めて味方の兵士たちの士気を高めるドイツ側艦長。無謀とも思えるその行動がひとつの転換点となって、両者の戦いは最終局面へとなだれ込んでいきます。
死力を尽くして戦い、勝敗の行方が見えてきた時にとった両艦長の迅速、的確な命令の見事さ。そして、死闘を繰り広げた相手に対する称賛と敬意の思いがとらせる行動の、まあ、素晴らしかったこと。最高のスポーツマンシップ精神を目の当たりにした気持ちに駆られましたねぇ。真実を捏造してでも戦争を始めたどこかの大統領や軍事・情報機関の最高指揮官に、「この映画を見てよ」とおすすめしたくなったなあ。この終盤のストーリーは、ほんと、よかった! 胸が熱くなりました。
俳優では、「海の狼」の異名を持つドイツ・Uボート艦長を演じたクルト・ユルゲンスが最高にかっこよかったです。この指揮官なら「わたし、命、預けます」って気持ちになるだろうな。その眼光、その決断、その勇気。惚れ惚れさせられました。有川 浩『海の底』の中で某登場人物が、「こういうタイプに弱いんです。厳しいけど情に篤(あつ)い、みたいな」と言ってましたね。(角川文庫 p.311)
魅力的なワン・ショットは、魚を釣るために駆逐艦の甲板から垂らした釣糸のその先をたどると、そこに海底に待機しているUボートの姿が・・・、ってところ。駆逐艦が釣り上げようとしているUボートとひっかけて、これは心憎い演出だなって。
Uボートが出てくる映画では、ペーターゼン監督の『U・ボート』もいいですよ。今回、本作品を見ながら、映画『U・ボート』はこの『眼下の敵』の影響を受けているなあと、そう感じましたね。清々しい後味の良さってことでは、『眼下の敵』が文句なし、上を行きます。でも、息詰まるドキドキ感では、『U・ボート』のほうが上を行くでしょう。いや、下に潜るのか(笑)
傑作!
★★★★★
CGを多用した今時の映画と比べると、シ−ンによってはショボイところもありますが、それを補って余りあるスト−リ−の良さ、面白さがあります。男ならぜひご覧あれ!
原作よりも素晴らしい作品です。
★★★★★
TVで見てから大学時代に原作を読みましたが、原作ではパニックに陥った乗組員を潜水艦艦長が射殺したり、両艦相討ち後に救命ボートの中で殴りあったり。パニックに陥った乗組員を諭したあとに、艦内でレコードをかけて全員で歌って士気を煽る(これ以降の潜水艦映画では定番になって「レッドオクトーバーを追え」でのソ連国歌斉唱シーンに繋がる)名シーンや「今度はロープを投げないでおこう」「いや、君はまた投げるさ」という艦長同士の最後の名せりふは全て映画オリジナルのものです。ふたりの艦長の部下への労わりやリーダーとしての決断力の表現は映画の方が遥かに上だと思います。
ちなみに駆逐艦側の先任将校(ナンバーワン、小型艦の副長)役のデビッド・ヘディンスンは60年代のSF海洋冒険TVドラマ「原潜シービュー号 海底科学作戦」のクレーン艦長を演じた人です。この番組のある回では「眼下の敵」の体当たりシーンが流用されています。