人は恋愛(失恋)することで成長する という前向きなメッセージがいい
★★★★★
近年珍しい上質なハリウッド映画でした。まずこの作家、男女の恋愛生態学をかなり研究しつくして映画作りに臨んだと見られます。人が本気で恋をすると、女性はどんどん大胆になりますが、男性はどんどん繊細になります。この原則がなかなか当事者同士でも理解されないから、多くの恋愛ではすれ違いが起きます。だから男性の多くはそのうち本気で恋愛をしなくなり、遊ぶようになっていきます。それは本能的な自己防衛が働くためです。ところが人間というのは、苦しみから逃げているばかりでは成長はしませんから、遊んでばかりの男性は絶対、成長しない、ということになります。多くのロマンチック・コメディ(ラブ・コメ)を含む恋愛映画は、この原則を分析・解体することで成り立っています。ところがこの映画は冒頭のナレーションで、まず、恋愛映画ではないという断りを入れます。実は、これは作者一流の皮肉で、映画は最初から最後まで、恋愛についての優れた考察がなされた映画以外の何ものでもありませんでした。主人公は最初からナイーブな人物という設定なので、ストーリーを普通の映画のように時間の経過の順で追って見せていったら、ただ失恋の痛みを追体験させられるだけの、とても見るに耐えない映画になったはずです。それを作者は時間軸をばらばらに分解することで、話を軽やかにすることに成功しています。できることなら、失恋の苦しみなどは経験しないのに越したことはありませんが、しかし失恋には必ず、人を次の成長に結びつける不思議なマジックがある、というのも間違いないのです(経験からそう断言します)。そうした前向きなメッセージを、この映画は、最後の最後で粋な幕切れとして打ち出してきます。万人に見ていただきたい映画です。(この監督の「スパイダーマン4」には期待が大です。「イエスマン」「ハプニング」に続くズーイー・デシャネルは目で演技ができる久々にいい女優さんですね)
男はいつだって純情
★★★★★
男っていつまでもこんなに純情なんだろうか?
サマーとの500日間を行ったり来たりしながら見せていく斬新さが面白い。
サマーに振り回されっぱなしのトム 「恋愛関係になりたくない。友達のまま」そんな前提で始まった関係
友達としてデートし、友達としてキスして、友達として一夜を共にするそんな関係の矛盾に耐え切れなくなり、
トムが確かなものを求めた時、お互いの認識のずれが・・・
やきもきする時間を過ごし、気がつけば彼女の指に婚約指輪が・・・・理解しきれない主人公の気持ちが切ないほど良く分かります。
これは、男の側から描いた片思いの物語
小気味いいテンポでさらっと描くあたりが監督のセンスを感じます。
主人公のトム役 ジョセフ・ゴードン=レヴィットが素晴らしい。
演出が斬新
★★★★☆
現代を象徴するようなカップルの物語だと思います。
一般的に思う男女の恋愛価値観が逆転してしまっている点が面白味を増していると思います。
そういった意味でこのキャスティグは奏功していると感じます。
また演出面も凝っていて斬新さを感じます。
タイトルの通りやたら日数にこだわっていたり、カット割りで理想と現実を同時進行させたり、
唐突にミュージカル?と思ったらアニメと融合しちゃったりと何でもありです。
日数を意識させることにより描いていない日を想像させる効果もあったと思います。
ただストーリー的には成就しない恋愛で虚無感が漂いますかね。
物語性はイマイチでも・・・
★★★★★
もしこれが「生まれて初めて観る恋愛映画」だったら、目をキラキラさせたかと思います。しかし残念ながらとっくにスレてしまった、そんな人間としては、どうしたって「見飽きた」感はいなめない。特にサマーの人物像が、過去にどこかで観た映画の「ちょっと変わった、だけど魅力的な」女の子像を、足したり引いたりしてつくっただけ、っぽい。心に残るセリフもなければ、ラストシーンにも既視感が。
だけど、この映画は、観ていてとても楽しい。まずは映像が美しい。しかもさりげなく美しい。物語にあれこれ悩まずにいられるので、そちらは堪能できました。ステレオタイプなストーリー展開は、もしや、それを狙ってのこと? ・・・なんて、深読みしすぎでしょうけれど。
なによりジョゼフ・ゴードン=レヴィットですね! 「BRICK‐ブリック‐ [DVD]」もそうですが、ちょっとした表情、仕草が見飽きない、魅力の詰まった俳優さんで、「なんか日本のよくできたアニメキャラみたいだなー」と常々思っていましたが、アニメの小鳥と「競演」するシーン、あんまり似合いすぎて、笑ってしまいました。カワイイです。
そんなわけで、これは彼のプロモーションビデオ、いやいや、彼の魅力をきっちりおさえた映画、だから星が五つです!
音楽
★★★★★
エレベーターの中でのthe smithについての会話に、私たちシドとナンシーみたいって会話。
こんなに予告編を観てワクワクした映画は初めてでした。
映画館で観て、dvdが出るのを楽しみにしていました。
mum-raやthe clash、 the smith等大好きなバンドの曲は使われてるし、途中いきなりメリーポピンズみたいになるし、本当にお気に入りの映画です。
ミュージックビデオ出身の監督だけあって、テンポが良くてリズミカルな作品だと感じました。
スパイダーマンも期待できそうです!!!