ヘブライ人の救世主、モーゼを描いた一大スペクタクル
★★★★★
舞台は三千年前のエジプト。エジプト人がファラオと呼ばれる王のもと
ヘブライ人奴隷を酷使し、国を統治していました。
そんな中ヘブライ人の子として産まれたモーゼは
川に流され、エジプト人王子として育てられます。
彼は本当のエジプト人王子、ラムセスと対立しつつ
ファラオに指名される直前まで成長しますが
その時、彼は自分の本当の生い立ちを知ります。
そこから、彼の救世主としての苦難の日々が始まるのでした。
製作年は1956年とのことですが、圧倒的なスケールに驚かされます。
エキストラを25000人も動員したそうで、それらや巨大なセットにより
エジプトの権力と技術、そして酷使された奴隷の悲惨さが伝わってきます。
使用者と奴隷。これがエジプト人とヘブライ人という
人種の違いによるもののみであることが、その理不尽さを際立たせます。
そしてそれに立ち向かった救世主モーゼ。
彼の生涯は、まさにヘブライ人を救うための旅でした。
本作は紅海が割れる名シーンで名高いですが
それだけでなく、一人の英雄のドラマとして珠玉の出来です。
そのスケール、映像は技術が進歩した現代映画と比べてもまったくひけをとりません。
このような一大スペクタクルの前には、現実的かどうかは気にならないと思います。
「ベン・ハー」や「アラビアのロレンス」を好きな方には、特におすすめします。
奇跡は
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くまなく現実の中を探し求めても、客観的にはそうそうみつかるものではありません。
ところが、高い確率で、濃縮された時空を形成している「場」があります。
それが、聖書的表現の世界なのですが、その読み解きには、さまざまな立場の先達たちの苦労があったのです。
また、タルムードの世界が傍らにあります。
答えは、今、そこでは、私たち自身のこころに糸口があります。
映画らしい映画を見たという充実感。
★★★★★
映画を見る楽しさには2方面の楽しさがあると思う。1つは画面そのものの見事さ、もう1つは内容の感動。
一般的に私が感じるのは前者はハリウッド映画、後者はヨーロッパ映画に多い傾向だと感じる。
名作と言われる映画は当然高度に両方の要素を兼ね備えた映画である。
十戒は完璧にこの要素を満たしている映画といえる。もし苦言を呈する人がいたら、むしろどこをどう直せばより完璧になるのかその指摘に興味が湧くと思う。
私は映画は好きだが、名作といわれる作品の鑑賞をほとんど網羅しているようなマニアではないので鑑賞力は低いかもしれない。しかし、普通に名作といわれている作品でも大体は映画館かレンタルビデオで鑑賞すれば満足する。が、本当の名作は手元に置きたくなる。所有する喜びを味わいたくなる。いつも見るわけではないのに、いつでも見られるという安心感が欲しくなる。
この十戒 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD] はマスターフィルムの退色補正もされていて、原作の色がどういうものだったのかあらためて確認できたことは大変感動的なことだった。このような歴史的価値が高まったDVDがこの値段で買える事は素晴らしいことだと思う。
ミケランジェロのモーゼ像に似ていたヘストンが起用された
★★★★☆
CGがない時代に、この大スペクタル映画は70代以上の人たちがリアルタイムで映画館で見て、驚愕した。亡き父もその一人。私もさんざん、親に付き合わされて繰り返し見てきた映画の一つ。
今の特撮の基準で見たら若い人たちには、「大したことないじゃない」となるだろうが、旧約聖書の「出エジプト記」を、非常にわかりやすく描いている。
ハリウッドの巨匠セシル・B・デミル監督の最後の作品であり、10年近くの歳月をかけ、今の貨幣価値にしたら「タイタニック」と同じくらいの巨費を投じた、娯楽作。
まだ無名だったチャールトン・ヘストン、ユル・ブリンナーと大スターが共演。ラムセス役のユル・ブリンナーは、ハンサムで魅力的だった。モーゼ(チャールトン・ヘストン)の赤ん坊時代は、ヘストンの実の息子。
アン・バクスター(イヴのすべて)などの金色に輝く衣装も、美術もみごたえあり。
特に紅海に道ができて、大勢の人々や動物達がわたるシーンは、映画史上に残る名シーン。どれだけのエキストラ、人海戦術を使ったことだろうか?
キリスト教徒でなくても、聖書を斜め読みするような感覚で、見て損はない映画。
この映画が気にいったら、その後のチャールトン・ヘストンの代表作であり、傑作「ベン・ハー」もおすすめ。逆に「ベン・ハー」が面白かった人なら、たぶんこの作品もOKだと思う。
絵画のように美しい映像とともに不朽の名作
★★★★★
このような作品は二度と出てこないと思えるくらい時が過ぎても価値が変わらない作品です。
価値の普遍性ということで真のクラシック作品と呼べるものと思います。何時見ても素晴ら
しいと思う作品です。シーンの一つ一つがとても丁寧に作られており、まさに完璧です。
DVDは便利なもので、ものは試しにどこでも良いですからポーズをかけてみますと、これが実
に素晴らしいことに静止画として見た場合でもまるで一幅の絵画のような美しさなのです。
これがなんとまるでラファエロの宗教絵画のようなんですね。不朽の名作とはこういう映画
のことなのでしょう。コレクションには必ず加えておきたい作品です。