Crazy and Mixed Up
価格: ¥1,204
サラ・ヴォーンの1970年代を代表するアルバム『ハウ・ロング・ハズ・ディス・ビーン・ゴーイン・オン』とレーベルも同じで伴奏も同じ編成。伴奏者の知名度は前者ほどではないにしろ、特に歌伴奏に秀でた名手がそろう。それだけにアレンジも徹底し伴奏陣のまとまりも良く、サラの歌を堪能するには絶品のアルバムだ。
有名スタンダードから知られざる名曲、そして新しいところでブラジルのイヴァン・リンスの曲を2曲も取り上げている。サラはブラジル音楽に興味をもっており、『アイ・ラヴ・ブラジル』などブラジル・ミュージシャンとのアルバムを作っている。今でこそ有名なソング・ライターの曲をこの時代に取り上げ、すばらしいジャズ・バラードとして聴かせている点に注目。
それ以上のハイライトは<3>。おなじみのシャンソンであるが、ジャズでもスタンダードとなっているこの曲を、スキャットの土台として取り上げている。歌詞も歌わない、メロディも歌わずにスキャットで聴かせる。手に汗握るスリリングなスキャットに脱帽。(高木宏真)