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歌劇《トスカ》 [DVD]

価格: ¥5,040
カテゴリ: DVD
ブランド: TDKコア
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   ミラノ・スカラ座の底力をまざまざと思い知らされるディスクである。いささか乱暴な比喩かもしれないが、オペラをケーキにたとえるならば、もっとも重要なことは、トッピング(主演歌手)の豪華さを競うことではなく、その下にあるスポンジ部分(オーケストラ、合唱、あるいは舞台を支える劇場スタッフ)がしっかりとできていることにほかならない。見た目がいくらよくとも、さすが老舗の味とうならせるためには、目に見えないスポンジがしっかりとできていなければダメなのである。このディスクはそれを証明してあまりある充実した音楽的内容を持っている。
   マリア・グレギーナは、いま世界でもっともトスカを見事に歌い演じることのできるソプラノ。何事にも命がけ、体当たり的に役柄に没入し、もち前の豊かな声量と劇的な表現力で、劇場全体を魅了し、映像の前の私たちをも釘付けにしてしまう。マリア・カラスの豹のようなトスカに較べると、やや情けが深いキャラクターもそれなりに好感が持てる。レオ・ヌッチのスカルピアはやや人間的弱みや迷いを見せているところに、ステレオタイプな悪役に陥らない解釈の深さがうかがえる。サルヴァトーレ・リチートラのカヴァラドッシも堂々たる歌唱で、「妙なる調和」「星は光りぬ」といった聴きどころは、ヴォリュームのある響きと、伸びのある高音で、大いに満足感を与えてくれる。ルカ・ロンコーニの演出はさほど緻密ではないが、豪華さを失わず、しかも常套的に陥らない手堅いところがプロの仕事を感じさせる。
   しかし、ここでの本当の主役は何と言っても指揮のリッカルド・ムーティ。第1幕のテ・デウムや第3幕の銃殺刑シーンなど、最近のムーティは随所で演歌的な粘りも意外と発揮するようになった。ここでも聴き手の感情移入をしっかり受け止めてくれる懐の大きさがある。スカラ座のオケは相変わらず素晴らしい。常に響きはしなやかで、しかも音に芯があり、超一流だけが備えることのできる風格に輝いている。プッチーニのような精妙な管弦楽で書かれたオペラでは、このようなオーケストラだけが、ドラマ全体を構成できると言えるだろう。2000年3月14~17日のライヴ収録。(林田直樹)
最高ですね ★★★★★
 アヴァドじゃなくリカルド=ムーテイでしたね。この映像は最高ですね。特にトスカ役の女優。決してトスカ向きではないんですが、彼女が歌う『歌にいき、恋に生き』では、彼女はひざまづいて歌うんですよ。合唱をちょっとでもやったヒトならわかると思うんですが、あの姿勢であの声量です。そして悔しいことに、この映像、何度も何度も見ているとトスカははまり役であることに気がつくはずです。強烈です。
 私が一番好きなのは、1幕最後のテデウム。スカルピアが聖堂内で2匹の獲物を狙うと歌うそばで、荘厳なテデウム(私は神を崇めます)が大合唱で流れるシーンには鳥肌が立ちます。映像に写っている合唱隊のスカルピアの右側の女性が歌い始める口元、テデウムを歌うためだけに振り向く聖職者の一群、それらを私は実際に見たものですから、このDVDには思い入れがあるんです。ほかのDVDなら、トスカが絶品とか言う票が多いでしょうが、これは見れば見るほど味が出るDVDです。
グレギーナとヌッチの対決が最高 ★★★★☆
近頃スカラ座の公演も例に漏れず演出が個性的になり、演劇性重視のようです。
それだけ上演に面白さや奥行きが楽しめます。

でも、プッチーニのようにヴェリズモオペラの場合、もう少し気楽に物語と歌手の歌を堪能したいとき、疲れますね。
全幕を通じて、舞台装置、大道具、小道具ともデフォルメされています。

ムーティの指揮は、意外にもポルタメントをかけたところがあり、新しい発見です。
なによりも一押しは、グレギーナのトスカ。
次にヌッチのスカルピア。

見どころ1:2幕でのトスカ対スカルピア
見どころ2:1幕フィナーレ群集の中でのスカルピアの独白

平凡だが不思議に印象深い映像 ★★★★☆
この『トスカ』という作品は、よほど映画監督や演出家の意欲をそそる作品であるらしく、現在までにDVDで発売されたものだけでも、プッチーニの他の作品と比べてもひときわ多くのすぐれた映像がそろっています。それらの中でも、このディスクは私のかなり気に入っているもののひとつです。正直を言って、一人一人の出演者の力量はそれほど傑出したものではありませんが、全体のバランスが大変よく、奇をてらった演出がまったくといってよいほどないのがかえって新鮮にさえ感じられます。何よりトスカ役のグレギーナの容姿や服装、そして演技が、私が日頃から抱いているトスカのイメージにぴったりです。そして、ムーティー率いるミラノ・スカラ座管弦楽団の演奏は、さすがにイタリアオペラの殿堂というべき素晴らしい演奏を聴かせてくれます。演出面では、第一幕と第三幕でまるで廃墟のように半ば抽象化された背景や、シルエットで登場する衛兵の横顔などが印象的です。