機構的にも大幅な進化を遂げた作品たち。
光と影の一瞬の対立の中、かつてあったものを思い起こさせる
作品世界。
揮発性ともいうべき<ムットーニ>の世界は、観客に<宇宙>を
意識させる。
ムットーニの世界は、すべて手作りのローテク感、
ちいさな棚のようなしかけの箱のなかに、
語られる物語の奥ゆきがみる人をうつ。
子供の頃にいだいたような、どこまでも広がるゆめの世界へと
いざなわれる。
極上の美を体現するヒロイン、あるいは邪を体現する男、
すべてを見透かしたような犬や猫など生き物たち、
若き日のせつない夢に生きる老女。
それぞれが、おかれている
本書は、それら小さな劇場で上演される小さな芝居の物語面にスポットを当て、温かく美しい写真に繊細な文章を添えて、フィルムストーリーの形式で紹介した好著。演劇ファンの人、ドールハウスに興味のある人、ジャズを愛する人などは、ぜひ一度手に取っていただきたい。ブリキのオモチャ、カラクリ人形、そしてアメリカン・アール・デコが好きな人は、必携である。