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Under the Banner of Heaven: A Story of Violent Faith

価格: ¥1,328
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Anchor
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   ロンとダン・ラファティー兄弟が、彼らの弟アレンの妻とその幼い娘を殺害したのは1984年。この事件はその残虐性だけでなく、神から直接下された命令に従ったと兄弟が主張したことで、注目すべき犯罪となった。『Under the Banner of Heaven』でジョン・クラカワーは、殺人者とその犯罪の物語だけでなく、この2人を生み出したモルモン原理主義の暗い世界に焦点を当てている。

   モルモン教には、真の信者は神と直接話せるという考えに基づいて興された部分がある。しかしモルモン教の主流派が一夫多妻の教義を否定し、一般大衆により受け入れられやすい宗教を目指したのに対し、原理主義の分派はこれを背教とみなして、自分たちが正しいと信じる人生をおくるために隠れ住んでいた。

   クラカワーによれば、これらの今も活発なグループは、彼らの信仰に対する異議申し立てや、カルトに似た父権的な秩序に対する反抗が起こると、圧倒的な暴力で逆襲しかねないという。クラカワーはモルモン教の歴史を詳細に調べているが、本書の迫力の源は、今現在の情報、とくに刑務所でのダン・ラファティーとのインタビューにある。

   想像されるような病的な狂人とはほど遠く、ラファティーはぞっとするほど首尾一貫しており、ただ神の命令に従うことだけが動機だったと主張する。現実に起こった殺人に関するクラカワーの描写は生々しく恐ろしいが、こうした細部が明かされることによって、神の指示という兄弟の主張はよりショッキングなものに感じられる。イスラム原理者を殺戮に駆り立てるものを、われわれ西洋人が理解しかねている今、アメリカ自身が国内に抱えるものにこそ目を向けよとクラカワーは助言しているのだ。(John Moe, Amazon.com)