アルバムの最初の4分の1がステレオタイプな荒々しいサウンドに甘んじた内容だとすれば、明るい官能性という言葉が似合いそうな「Good Morning Beautiful」は黒い雲の中に差しこむ希望の光といえるだろう。その後、ムードは気だるさ(「Deathblow」)から陰うつさ(「Battle-axe」「Lucky You」)へと向かう。そして「Bloody Cape」で、バンドは伝統的なポップのフックにいつになく接近。その直後に、諦観と無気力に支配された「Anniversary of an Uninteresting Event」が待っている。説得力があり、聴く者に勇気をくれるアルバムである――デフトーンズがここまで来るのに15年もかかったとはいえ、だ。
エンハンスト仕様となっており、バンドのスタジオでの姿と日常のひとコマをとらえたヴィデオ・フッテージ、スナップ・ショット風の写真150枚を見ることができる。(Jerry McCulley, Amazon.com)