Lの世界 vol.1 [DVD]
価格: ¥999
ショウタイムがオリジナル・ドラマ・シリーズ「モダン・ラブ」でゲイの男性にスポットを当ててから4年。「Lの世界」がちょっとした方向転換を起こした。ロサンゼルスの結束の固いレズビアンのグループを中心にしたこのドラマは、労働者階級のゲイたちのドラマからは、スタイルも内容もかけはなれている。「モダン・ラブ」の男性たちが、ピッツバーグの中流階級の町でメロドラマティックながらも素晴らしい生活を楽しんでいたのに対し、「Lの世界」の女性たちは太陽が降り注ぐカリフォルニアで、ゴージャスな家と、魅力的なキャリアと、セクシーなワードローブのある生活をしている。しかし皮肉なことに、「Lの世界」は、「モダン・ラブ」のような古典的なソープオペラよりも、「ナイス・サーティーズ」のような日常的なドラマに似ている。そしてその結果、驚くほど心に届き、効果的で、適度にスタイリッシュながら決してやり過ぎない。快い刺激の余地はたくさん残されているが、クリエーターのアイリーン・チェイケンが当初から意図したドラマは、セックスだけでなく登場人物を中心にしたもの、体の……他の部分ではなくハートに向けたものだったのだ。
「Lの世界」の主な登場人物は真剣に付き合っているベット(ジェニファー・ビールス)とティナ(ローレル・ホロマン)のカップルで、かつては高いキャリアを誇っていたが、子どもを持つ決心をする。しかし、人工授精やふたりの力関係の変化で、幸福だったふたりの間がおかしくなっていく。ふたりのまわりにいるのは、威勢のいいジャーナリストのアリス(レイシャ・ヘイリー)、官能的なヘアドレッサーのシェーン(キャサリン・モエニグ)、レズビアンであることを明かしていないプロテニスプレイヤーのデーナ(エリン・ダニエルズ)、そしてエスプレッソ・バーのオーナーのマリーナ(カリーナ・ロンバード)で、マリーナは物語のハイライトで同性愛者ではないと思われたジェニー(ミア・カーシュナー)とベッドをともにし、彼女の恋愛観を揺るがせる。「わたしは異性愛者なの? 違うの?」というつぶやきは、彼女のフィアンセ(エリック・メビウス)を、そして多くの視聴者を悩ませ、その優柔不断さにいらいらしたり興味を持ったりさせる。しかし、ジェニーの弱さは「Lの世界」の強さでもある。家庭内のことでも、政治的なことでも、多くの問題の多くの面を探り、そのどれに対しても簡単に答えを出そうとしないことで、この番組はますます魅力的で、目が離せないものになっていくのだ。(Mark Englehart, Amazon.com)