この事件をとりあげた本は数冊あるのだが、もし読むなら「かげろうの家」をおすすめしたい。
著者・横川 和夫さんは、このようなルポを数多く書いており、そのぶん事実をきちんと、とらえてるように思う。
当時の事件の経過を詳細に記述されているが、それ以外に本書の特徴として、犯罪を犯した少年達の生い立ちから犯罪に手を染めるまで実に詳細に記述されている。勿論これだけ凄惨な事件を犯した訳だから、犯罪者側の肩を持つという事は更々ないのだろうが、各少年達の過程環境等の生い立ちの記述を読んでいくとそれらがこの事件に何かしらの影響を及ぼしていたというのは否定できないような気がした。
全体的に被害者より加害者側を詳細に扱った本である。この事件自体を詳細に扱った書物はあるかもしれないが、犯罪者側のバックグラウンドまで掘り進めたという観点では貴重なルポ本かもしれない。