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学研国語大辞典―机上版

価格: ¥12,058
カテゴリ: 大型本
ブランド: 学習研究社
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確かに例文は多いですが… ★★☆☆☆

確かに用例豊富ですが、文学作品からの引用に事欠いて、朝日新聞の『天声人語』等からの引用もかなり多いです。『天声人語』の様な文章を「日本語の規範」とか「美しい日本語」と感じる人にとっては、確かにこの辞書は読んで面白いと感じられるでしょう。残念ながら私にはそう感じられません。

文学作品からの引用文の質の高さと適格性と素直さに於いて『新潮現代国語辞典』の方がはるかに上です。
用例は全て一流・ホンモノの文章から ★★★★★
 他の方が言及しておられるように、この辞書の用例は全て近代・現代の著名な文学作品や記事から引用されています。いわば一流の、本物の文章を用いているのです。それゆえこの辞書の価値は大変高いと思います。
純粋な国語辞典 ★★★★☆
冊子の大きさでいえば、大まかにいって、広辞苑、大辞林、大辞泉などと大差ない。しかし、これらはどれも国語+百科というような辞書であり、それは確かに一般的には便利だ。

しかし、学研国語大辞典はそうではない。国語項目が中心であり、百科項目は豊富とは言えない。また、実際の項目数もそれほど多くはない。
ではなぜ大辞典と名乗れるのかといえば、1項目あたりの密度が高いからなのだ。例えば用例は古典から戦後の司馬遼太郎まで豊富であり、もちろん出典も添えられている。それに、電子辞書で後方一致と呼ぶ機能(本書では「下に付く語」と呼ぶ)までも記載しているのだ。
例えば、
 【固める】
には、
 思い-・差し-・練り-・踏み-・干し-・腹を-・臍を-
などと記述されている。
(これ自体を目的とするなら、専門の辞書、例えば日外の「逆引き熟語林」などが良い)

最近では、冊子辞書の市場が電子辞書に侵食されている。確かに旧電卓メーカーの製造する電子辞書は、辞書を引くという億劫な行為から人々を解放した。しかし、版元と読者の間に電卓メーカーが介在することによって、辞書市場の寡占化も進んでしまった。このままでは、学研国語大辞典のような名著を出版社が発行することが許されなくなるのではないかと危惧している。
編者の金田一春彦、池田弥三郎の両氏はすでに鬼籍に入られたが、学研には、今後とも改訂・出版を続けて欲しい。
豊富な用例は詞華集(アンソロジー)と言えなくもない ★★★★★
これまで知らなかったということが残念ですし、どうして知ることが無かったのか信じられません。この辞書を手にして、今、そういう感慨に捉えられています。

「フィネガンズ・ウェイク」の翻訳者柳瀬尚紀さんが「辞書はジョイスフル」(ISBN4101480117)の中で「小型の国語辞典で、現在、筆者がいちばん愛用しているのは新潮現代国語辞典だ。小型ながら、序に述べられている『著名な言語作品から実用例を求め」るという編集方針が徹底していて、文学的に、というか、『言語作品』的に、面白く読めるからである。」と書いています。

が、この「学研国語大辞典」は、近・現代の著名な作家の作品からの用例が豊富に取り上げられている「小型」ではなく「大型」の辞典です。「広辞苑」、「大辞林」より収録語数は少なく、半分以下ですが、その分用例に富んでおり、それが他の大辞典と一線を画す特徴となっています。詞華集(アンソロジー)と言うと少々大袈裟に過ぎるかもしれませんが、決してそう言えなくもないと思います。用例には必ず出典が明示されており、個々の作家の個性をそれらの用例から感得できるほどの長さで抜粋されています。そうした作家の個性に接することができるのも楽しい経験です。(用例は小説だけでなく評論・批評、新聞記事等からも採用されています。)

柳瀬さんは、(上記引用に続けて)「辞書は引いても、どうせ忘れる。だから何度でも引くことになるのだが、辞書が面白ければ何度も引くのが億劫ではない。」と書いています。まさにこの「学研国語大辞典」も「面白」い辞書の筆頭に挙げることができるのではないかと、私は思います。

面白いから引く、引いて、単に言葉の意味(定義)を知るだけでなく、豊かな用例を通して言葉の使い方も学べます。得るものの大きな辞書であると、私は思います。

言葉の使い方を知るならこの1冊に止めをさす ★★★★★
広辞苑と同じ大きさだが収録語数はわずか10万強。

しかしながら、この辞書は1冊もののこのサイズの辞書ではほかのどの辞書も足元にも及ばない長所がある。実際の文芸作品や評論、新聞などからの実例がふんだんに盛り込まれているのだ。

用例の多さを謳う辞書でも、実際は作例がほとんどで、しかも5文字、10文字ていどのきれっぱしのような用例だ。本当に言葉を使うためには文脈が必要だ。この辞書では、1つの用例が30文字、50文字におよぶものがざらだ。

意味を調べるだけなら語数の多い辞書がいいだろう。しかし言葉を使えるようになるには用例が欠かせない。そのための一押しの1冊。